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play variations [organ]

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Salvaged Tapes 2024年のテーマは「memento-mori(死を想え)」。takaramahaya氏の作品を迎えました。

元来「死」は誰にも等しく、いずれ訪れるものとして捉えられてきたました。肉体や精神の消滅を覚えることもあれば、魂の通過儀礼として捉えられてきたこともあるでしょう。科学の発展に乏しい時代には、定義づけられない状態でありながらも現代の我々よりもずっと身近に存在していたものかもしれません。しかしながら、同時に人々は長くそれらを遠ざる、あるいは意図的近づける行動をとってきたと言えるでしょう。

宗教儀式や人ならざるものとの精神的な交流を通して「死」を捉え、その深淵を覗き込もうとしてきたのです。

takaramahayaは本作において、古来人類が「死」や精霊、あるいは神など交流するために用いた宗教儀礼やシャーマニズムから着想を得て、トランスの没入的実践を試みています。

自ら皮を貼り製作したドラムは、楽器の独自性もさることながら、長い歴史を通じて人類が試みてきた方法を再現する試みとも言えます。

また、オルガンにいたってはトランス状態にある精神そのものかのような、深い瞑想と思索を表しているようにも思えます。

7 inchレコードとしてリリースされた本作は、限りなく即興に近い形で演奏され、収録されました。

収録可能分数のみを頼りに、実際の演奏では時計を使用せず、体感上の時間で演奏を繰り返して録音されています。

また本作は、あえてレコードの回転数を指定していません。

人が音楽を聴くときの時間感覚の伸縮は、その都度異なるものであるはずだからです。

デジタルリリースでは、カッティングにより製造されたレコードから再度33回転と45回転で録音をした2つのバージョンが存在します。それらは象徴的な記号に他ならず、その間に、あるいはその範囲以外にも選択されうる時間があることでしょう。

本作では時間芸術である音楽が、回転数を伴うレコードという媒体に物質化されることで、ある種厳しく制限されてる再生時間、テンポ、音階から解放されたかのように映るかもしれません。

しかし流れている音から聞き手自らがそれらを捉え解釈する行為は、無限から有限を定義することに他ならず、少なからず「死」を再認識、あるいは身近に感じさせる方法として機能しています。

アーティスト情報

  • takaramahaya

    1992年生まれ、神奈川県出身。打楽器を中心に古今東西の楽器を操る。 山二つ・東京塩麹・La Señas・galajapolymo・東郷清丸匚に参加。 近年はオルタナティブ古民家・飯島商店を拠点とし、楽曲制作、ソロ活動、即興演奏を主軸に活動中。2020年ギニア共和国に渡り、バラフォンの名手Epina Bangoura氏に薫陶を受ける。2021年、テキストと暗室演奏によるライブパフォーマンス「people in the dark room」を発表。

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