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【まえがき】

主人公(以下、碧/あお)は初めて『彼女』(以下、陽葵/ひまり)と会った時、陽葵の思いもしない新鮮な言動の数々に「不思議な感性の人がいるものだ」と驚いていました。陽葵も、車いすの人がバスに乗車するのを碧が進んで手助けしているところを見て碧に好感を持っており、いつしか二人は一緒に映画を見に行ったり、食事をする仲になっていました。

その後順調に交際は続いていましたが、あることで勘違いがあり、その勘違いが元でお互い連絡しなくなっていました。

それから暫くの時を経て二人は再会しますが、その時陽葵は別の男性と結婚することになっていました。この曲『彼女』はその再会するところから始まります。


【概略】

陽葵は結婚相手との待ち合わせ場所に向かっている途中で偶然碧を見かけ、そこで陽葵は碧に「手で挨拶(?)」をし、そして結婚相手と合流してどこかへ行きました。

碧は陽葵が結婚すると聞いた時も衝撃を受けましたが、陽葵が見知らぬ男性と一緒にいるところを実際に見てまた衝撃を受け、陽葵の結婚は現実のことであると再認識しました。

男性と並んで遠くへ行く陽葵を見ながら、碧は「結婚することになった以上はどうか幸せになって欲しい!」と陽葵の新しい人生の幸せを願います。


【詳細説明】

天真爛漫な陽葵は自分から碧と腕を組んだり、「碧といると安心する」と言って後ろから抱きついたりして、碧によく懐いていました。そんな陽葵が可愛くて碧は陽葵が大好きでした。ただ碧は自分の経済状況に引け目があったので結婚には不安を持っていました。

陽葵も碧が大好きですが、碧はいつも結婚とは関係ない話ばかりして結婚の話は避けているような気がしていたので、結婚して欲しいけど、「碧は私と結婚する意思はない。私に好意は持ってくれているけど~碧には私は女友達であって~『彼女』ではない。この先いくら待っていても碧との結婚はない。碧は好きだけど一生独身のままではいたくない…」といつか考えるようになっていました。

一方の碧は、陽葵と結婚したいという想いが強くなって時間はかかりましたが、「経済状況は後(から考える)、結婚(する事)が先」と、ついに告白することを決意していました。ところが碧が告白しようとしたその日は、陽葵が会うなり、「ごめん! 急に用事が出来た! 時間がない!」と言ってすぐに帰ってしまったので~なぜこんなことになるのか!?~想定外の事態に碧は呆然としていました。

~結局、この時が再会前の二人の最後の対面になっていたので、この日のことを碧は「あの日想いを告げていたら……」と言っています~

☆ 

この後にあるトラブルがあり、その後二人は長い間会わない状況に陥っていました。そのトラブルというのは、碧が受けたある資格試験の合格発表の日に「何かしよう」と以前に二人で考えて楽しみにしていた企画があり、その日は到来したが企画は実行されなかったというものでした。

それでなぜその後二人が会わなくなったのかと言うと、まず『二人とも<相手が(段取りを)勘違いしている>と思っていました』。そして打ち合わせ通りにしなかった理由を相手に聞こうとしましたが、「相手は悪いことをしたと思っているに違いないので相手を責めてはいけない。相手から説明があるだろうから、相手を問いただすのは止めよう」と二人とも同じように考えて、相手からの連絡(説明)を待つことにしたからです。

つまり、二人とも自分からは連絡をしないので、この日からの二人は音信不通になっていました。


一向に連絡がない陽葵に対して、碧は「これには連絡できない事情があるに違いない」そして「言いたくないのだろう。言いたくないことを無理に聞いてはいけない。陽葵が自分から話す気持ちになるまで待つことにしよう」と深読みしすぎて、誤った判断をしていました。

碧も連絡を待っていることを知らない陽葵は、「このところ碧から連絡がない。連絡がないということは私に関心がなくなったということ。碧との結婚をあきらめる時がきた…」と誤解して~今までの誤解(碧は私と結婚する気はない)に今度の誤解(私への関心がなくなった)を重ねて~ついに陽葵は碧との結婚を断念していました…。


その中、陽葵には以前から何度断っても「結婚を前提に交際して欲しい」とめげずにアプローチを続けていた男性がおり~碧との結婚を断念したことの反動だったのでしょうか~陽葵はとうとうその男性の結婚を前提とした交際の申し出を受けていました。


そして、陽葵からの連絡を待っていた碧に後日もたらされたのは、陽葵からではなく、知人からの「陽葵が結婚する」という知らせでした。



思いもしなかった事態に、碧は胸が張り裂けそうでした!!

陽葵に付き合ってる人がいたのか!?
陽葵は誰かと結婚するのか!?

こんなことになっていたとは!!

碧は一晩中慟哭していました……







陽葵は結婚予定の男性とデートを重ねていましたが、その何回目かのデートの待ち合わせ場所に向かう途中で偶然碧を見かけ、「手で目隠し」をしました(ここが本作『彼女』の冒頭のシーンです)。

天真爛漫で人懐っこい陽葵は久しぶりに大好きな碧と会えたことが嬉しくて、いつものようにただ懐いていただけであり、疎遠になって必ずしも良好とは言えない関係だったのに、そしてこれから別の人と結婚するのに、そんなことは気にもしてないようです。

会っていない間に二人の間に大きな変化があったのに、以前と変わらない無邪気な陽葵を見て、初対面の時にも驚いた、常人とは違う陽葵独特の感性をこの時も感じていました。


ただ次に一転して「泣きそうな目で陽葵が碧を見る」シーンがあります~いつも明るい陽葵が初めて見せた悲しそうな表情でした~

これは「私はお嫁さんになるよ…」と他の人と結婚することを、心の中で碧に告げていたのではないでしょうか。

あるいは

「好きだった!!」
「ずっとあなたを待っていた……」
「今からでもいいから、となりの男性から私を奪って!!」

と碧に訴えていたのかもしれません……。


この時、男の人と一緒にいる陽葵を見て碧は、「陽葵にはこれで良かった」と言っています。それは碧は自分の経済状況の悪さから結婚後の二人の生活に不安がありましたが、結婚相手の男性の経済状況が自分より悪い事はないと思ったからでした。

~しかし、碧は陽葵と結婚したかったので、これはただ自分を納得させるためだけに言っている言葉でした…~


遠ざかって行く陽葵の後姿を見ながら、「陽葵には陽葵の人生がある…。どうか幸せな人生を送って欲しい…」と碧は結婚後の陽葵の新しい人生が幸せであることを神に祈るような気持ちになっていました…。




☆☆☆

「碧は私と結婚する意思がないし、私を『彼女』として見ていない」と陽葵は考えていました…。

朴訥な碧の愛情表現が陽葵には物足りなかったために、「彼女」として見てないと感じたのだと思われます。

しかし、碧は陽葵のことを『彼女』だと言っています。

『誰かに…目隠しされた…
久しぶりに見る<彼女>だった…』
                 (本作「彼女」より)




碧は経済的理由により結婚をためらっていましたが、何度も陽葵と会っているうちに、自分を慕ってくれる陽葵への愛しさが日に日に募っていくので、不測の事態があって遂げることはできませんでしたが、<あの日>告白しようとしました…。




「彼女が好きだった…」の言葉でこの『彼女』は終わります…。

結局、結婚に関して二人で話をしたことは一度もありませんでした…。


したがって、相手がどういう思いでいたかはお互い知らないままです…。







(了)




【あとがき】

結婚して欲しかった「碧が自分に告白をしようとしていた」とは知らずに陽葵は別の男性と結婚しようとしているので、できることなら碧が告白しようとしていた<あの日>に戻って、聞きたかった碧の告白を『彼女』に聞かせてあげたいと思います……。