今作は歌唱や歌詞、作曲のみならず、編曲、ミックス、アートワーク、MV作りまですべて一人で行う「DIY系シンガーソングライター」を自称するNozomi Aokiの3rd EPである。
表題曲「滄海」から始まる今作は、エレクトリックとオーケストリックを行き来しながらポップスとオルタナティブの垣根を厚いコーラスワークを軸として縦横無尽に飛び回るものとなっており、前作のアルバム「C」までの自身の作風のみならず既存のJ-POPの流れに異議を唱えつつ、ラテン、エレクトロニカ、ピアノバラード、ジェントなどの多様なジャンルを曲ごとに用い、しかしあくまでも全体的には「オルタナティブポップス」としてあろうとする姿勢がより顕著に表れている。