Lyric

くたびれたバッグに財布と香水を

今日はそれだけで良かった

もう嵩むのは嫌だから

理由もなくこの場所に来て

染まり始めた街を眺めていれば

胸の蟠りも少しは

消えるような気がしていた

ただ虚しく

色褪せた溜息は空に溶けた

断ち切れないや

好きな匂いを

この身に纏ったところで

漂うあなたの残り香

傍でゆらりふらりと

忘れたくて 離れたくて

襟元踊らせたって

留まり続ける残り我

胸でゆらりふらりと

生ぬるい風が吹く度乱れる

後ろ髪撫で下ろした

気がつけば遠く空を仰いでいた

幸せだったあの頃を

思い出してしまうから

淡い記憶にいつまでも

縋りついたまま時は過ぎて

歩き続けても憂いは晴れず

何時の間に夏は暮れて

ただ空しく

色のない溜息が空に溶けた

断ち切れないや

好きな匂いを

この身に纏ったところで

漂うあなたの残り香

傍でゆらりふらりと

忘れたくて 離れたくて

手首を擦ったところで

留まり続ける残り我

胸でゆらりふらりと

冷たい風が吹く度乱れる

後ろ髪撫で下ろした