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2024年3月31日に発表された光の戦士ナチョスの6枚目のアルバム『阿吽ダイナソー』は、これまで以上に自由で、脱力していて、それでいて妙に本質を突いてくる不思議な作品である。全22曲というボリュームながら、一曲一曲は1〜2分前後と非常にコンパクト。しかしその短さの中には、ユーモア、違和感、優しさ、日常、哲学、食、そしてナチョス独自の視点がぎゅっと詰め込まれている。
タイトル曲「阿吽ダイナソー」から始まる今作は、まるで頭の中を散歩しているかのような感覚で進んでいく。「夕陽はサンセット」「モーニングコーヒー」「どっちでもいいわ」など、一見すると肩の力が抜けたタイトルが並ぶが、その奥には“深く考えすぎない強さ”や、“日常を面白がる視点”が静かに存在している。
また今作では、食べ物をテーマにした楽曲も多く、「納豆」「ビリヤニ」「チャイ」「ドーサ どうさ」など、ナチョスが日本とインドを行き来する中で出会った文化や空気感が自然に溶け込んでいる。特にインドでの経験は今作にも色濃く反映されており、「MERA NAM KYA HAI ~मेरा नाम क्या है?~」では言語や国境を軽やかに飛び越えていく感覚も感じられる。
一方で、「言えるうちに」「ゆっくり咲かせて」といった楽曲では、人生や人との関係性に対する優しさや切実さも垣間見える。ふざけているようでいて、実は真剣。適当に見えて、とても丁寧。そんなナチョス宮原らしさが、このアルバムには全編を通して流れている。
ジャンルや常識に縛られず、“今感じたものをそのまま音にする”という姿勢は、今作でも健在だ。短い曲たちはまるで日記の断片のようでもあり、聴く人それぞれの日常にそっと入り込んでくる。
『阿吽ダイナソー』は、笑いながら聴けるのに、なぜか聴き終わったあと少しだけ人生を愛したくなる。そんな不思議な温度を持ったアルバムである。
東京出身、13歳よりドラムを始める。 メインバンド、サポートバンドをしながら今はソロでも活動している。現在拠点はインドと日本。 光の戦士ナチョス。 2019年8月にソロ活動の光の戦士ナチョスとしてのアルバムを発売し、現在10作発表中。