

冷たい風が
頬を撫でていく
月は何も知らず
そこに浮かんでる
震える指で
火を灯せば
ひと息ごとに
身体へ沁みていく
いつもそこにあった
あの重ささえ
今はなぜだか
少し遠くにある
妙なもんやな
こんな時だけ
息がしやすい
まあ
悪くないか
煙がゆっくり
月へ昇っていく
掴む気もないまま
ただ眺めていた
赦しなんて
今さらいらない
誰かに決められるほど
素直でもない
灰をひとつ
指から落として
少しだけ
笑った
掠れた声が
ふいに零れて
忘れたはずの
響きが戻る
随分長いこと
使わなかったな
口にしてみれば
妙に馴染んでいる
誰に聞かせるでも
ない言葉なら
飾る理由も
もうないらしい
なんや
こんな声やったか
まあ
ええか
煙がゆっくり
空へほどけていく
昔のことなんて
今はどうでもいい
鬼だとか
ヒトだとか
どちらでもないなら
それでも構わない
短くなった
煙草を見つめて
またひとつ
笑った
この先なんて
知らんままでいい
どこへ行くかも
決めんでいい
なるようになる
それくらいが
ちょうどええ
面倒なことも
増えそうやけど
それはそれで
悪くない
煙がゆっくり
風に消えていく
遠くの空だけ
僅かに白んでる
何になるかは
まだ知らない
知らないままで
歩けばいい
残った火を
そっと消したら
さて
今日はもう
寝ようか
灰が落ちる
風が通る
月が薄れる
その向こう
まだ知らない朝が
そこにある
- 作詞者
Shiki Sakurai
- 作曲者
Shiki Sakurai
- プロデューサー
Shiki Sakurai
- プログラミング
Shiki Sakurai

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彼誰時
Shiki Sakurai
小説 輪廻の瑕疵 の作中エピソードを楽曲化したオリジナル楽曲。
夜明け前の静かな時間の中で、煙草を燻らせながら過去と自分自身を見つめるひとりの人物を描く。
アーティスト情報
Shiki Sakurai
Shiki Sakuraiは、音楽と物語の両面から作品世界を描く、日本のインディペンデント・アーティスト/小説家。 オルタナティブロック、ファンク、ポップ、バラードなど、ジャンルの枠にとらわれない楽曲を制作。オリジナル楽曲に加え、自身の小説作品と連動したテーマソングも展開している。 楽曲ごとに異なる音楽性を追求しながら、一貫して重視するのは、感情や情景、そして物語を音楽として届けること。 AIを制作ツールとして活用し、作詞、楽曲設計、世界観の構築を通じて独自の表現を追求している。 継続的な新曲リリースを通じて、音楽と物語が交差する創作活動を展開中。
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