Lyric

「神からの召集を受けて、各地に散らばる災厄が【魔女の庭】に集う。

災厄……魔女なんて災厄と同義でしょう。そして、あたしもその一欠片。

――人を捨てきれないこと。それがあたしの弱さ。

それでも、守り続けないといけない。

内から絶えず聴こえ続ける、あたしを魔女へと導いた【呪われた遺骸】の聲。

取り込まれれば、あたしという存在はきっと消えてしまうだろう。

守らなくてはいけない……あたしが描きたい世界像を叶える為に――」

蒼の椅子に座す蒼白の魔女

憂い帯びた瞳は人を捨てきれないままに

己が願いは何であるか、心に問い続けた

蒼褪めた凶夢も後悔もない

穏やかな日々はどうすれば還るのだろう

日毎に霞み消えていく人心を亡くさないように

罪過に塗れたこの身では　如何なる綺麗事も只の妄言

それでも、だからこそ……

不可逆性世界時計　人差し指で逆巻こう

耳に響いて止まない　叫びも滂沱の涙も

世界を巻き戻せば　ゼロからやり直せると

秒針に触れられるのが神のみならば……神となろう。

瓦礫の下で眠る終音を呼び醒まそう

青き春はもう花弁散らして

色褪せた未来に夢見るのはとうにやめた

終着の地、全てが今宵此処で終わるのだから

温もり亡くしたこの手が　最後の扉を開けるその刹那

此処にきて、どうして……

不可逆的な魔法を　唇で封じ込めた

絶対的永続的　そのはずがそれなのに何故、あなたは此処にいるの？

揺れる心踏みつけて　振り払った弱さは

剣となり誰を貫く？

「こんな未来を誰が祝福するというの……！？ならば、いっそこの手で！」

我が望みを今、高らかに告げよう

『世界よ、逆巻け！　原初へ――！』

不可逆性世界時計　人差し指で逆巻こう

花に息を吹きかけ　笑い溢れた幸福まで

再び巻き戻して　ゼロからやり直せたら

今に辿り着かない未来を探し当ててみせよう

「【五魔女会談】という名のセカイの遊戯場。

ここで選ばれた者が、次のセカイを象る。

――御伽噺じゃない、これが現実。

どんなに時間がかかってもいい。

繰り返して、繰り返して、いつか掴み取ってみせる」