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歌詞

ゲシュタルト

貝と蜃気楼

進めど進めど景色は変わらず、

足音と号令は同列に意味を持たない。

駱駝がまた一歩を踏み出すたび、

永遠と停滞はよく似たものと知った。

嘆けど嘆けど逃げ水には届かず、

見るものが在るものと信じる他にない。

駱駝がまた一歩を踏み出すたび、

この身は荒野の内にあると知った。

歌えど歌えど喉が渇くばかりで、

意志は言葉から離れて漂い出し、

駱駝がまた一歩を踏み出すたび、

荒野はこの身の内にあると知るのだ。

(The crow flew away, he has gone away)

地平が揺らいでそれに気がついた。

(Accuse the sinner, the day will come now)

隊列の中央で道化師が指をさす。

(The crow flew away, he has gone away)

砂嵐は白昼に夜を連れて来り、

(The crow flew away, he has gone away)

金の鯨が僕らを呑み込んだ。

叫べど叫べど砂が音を呑み、

風が巻く轟音は沈黙と同じだ。

駱駝がまた一歩を踏み出すたび、

永遠と停滞はよく似たものと知った。

進めど進めど一面の砂に眩み、

見るものはないものと同じになってしまった。

駱駝がまた一歩を踏み出すたび、

荒野はこの身の内にあると知るのだ。

(The crow flew away, he has gone away)

生まれ落ちたときからここにいるような気がした。

(Accuse the sinner, the day will come now)

繰り返す叫び声は同じ名に変わった。

(The crow flew away, he has gone away)

それさえも呑まれて忘れるのだろうか。

(The crow flew away, he has gone away)

狩人は沈黙して正体を失くした。

前後左右も天地も個体も

もう何もかもを見失った。

そうしてぐるぐる廻る僕らの周りを

ぐるぐる廻っている誰かが嗤って、

それは風のように絶叫した。

ああ唱えや 祈れ

だれをすくおうか

嫌 嫌

踊る藁にすがれ

ああ歌えや 混ざれ

我を忘れ

居や 居や

砂のひとつと知れよう

(The crow flew away, he has gone away)

僕はひとりアカシアの木の下に立っていた。

(Accuse the sinner, the day will come now)

狩人は皆消えてしまったのだろうか。

(The crow flew away, he has gone away)

おそろしく無意味で無謀な一歩を踏み出して、

ああ、僕もきっと、消えてしまったに違いない。

  • 作詞

    小宵

  • 作曲

    貝と蜃気楼

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アーティスト情報

  • 貝と蜃気楼

    耳を劈く轟音に物語性の高いリリックを乗せて鳴らすオルタナティヴ・ヘヴィ・ロックバンド。そのサウンドはスラッジコア、ブラックメタル、ハードコアパンク、シューゲイザー、USインディーなど様々な音が渾然一体となった唯一無二のものだ。メンバーは、小宵(Vo)、KYOTOU O-EⒶST SHIBUYⒶ(Gt)、ヨシキ(Gt)、MiNT(Ba)、634(Drs)の5人組。その内、小宵とKYOTOU O-EⒶST SHIBUYⒶの2名がVtuberという異色の構成だ。2022年4月に1st EP『人魚の骨』、同年10月に1st Album『七日目の街』をリリースし、また2022年5月にはおやすみホログラム主催のライブ「打奏驚蛇」に出演、同年12月にはレコ発ライブ「七日目のパレード」を主催するなど、ステージパフォーマンスにも力を入れており、破壊的な演奏が評価されている。最近ではASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文がホストのpodcast AVMTのVOL.36にて1st Album 所収「安息日」が週のプレイリストに選曲されるなど、その存在感はあらゆる音楽シーンにおいて日々いや増しつつあり、今後も決して目が離せない。

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