Touka Front Cover

Lyric

Touka

Nayori

制服の背中を揺らして

初夏の風が通り抜けました

信号待ちの向こう側で

誰かが笑ったように見えました

耳に残っている言葉のかけらが

今も胸の奥で揺れています

過ぎていく日々のなかに

置き去りにできないものがあるのです

「平気です」と笑っていた日々が

少しずつ剥がれていきます

触れられなかった気持ちだけが

今さら色づいてくるのです

さよならの理由も知らないまま

貴方のぬくもりを手放しました

季節の匂いと重なって

その記憶はいまも息をしています

言えなかった言葉ばかりが

いちばん近くに残っています

風にまぎれて消えた声を

今日もつい探してしまうのです

夕暮れの道を歩いていたら

ふと貴方の後ろ姿を思い出しました

誰にも話せないようなことを

貴方には話せたのだと思います

手にしたはずの未来さえ

どこかで擦り減ってしまいました

でも貴方の名前だけは

今も濁らずに残っているのです

後悔という言葉ではきっと

片づけられないこともあります

忘れることだけが

優しさだとは思えないのです

私は今も立ち止まったまま

思い出の中を生きています

季節が変わるたびに少しだけ

貴方が遠くなっていきます

笑った顔も 拗ねた声も

全部覚えているのです

忘れたふりをして過ごす毎日が

少しだけ苦しいのです

貴方がいないと知っていても

耳をすませてしまいます

風の音にかき消されても

またどこかで会える気がするのです

制服の背中を揺らして

初夏の風が通り抜けました

もう二度と戻れないとしても

想いだけは消えませんでした

きっといつか笑えるなら

それでいいと思うのです

ただ貴方がいたこの季節を

もう少しだけ覚えていたいのです

  • Lyricist

    Nayori

  • Composer

    Nayori

  • Producer

    Nayori

  • Mixing Engineer

    Nayori

  • Mastering Engineer

    Nayori

  • Vocals

    Nayori

Touka Front Cover

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