離してはいけないのジャケット写真

歌詞

夜の煙草

岩下啓亮 Sardine

ぼくの疲れをぜんぶ

かの女は持っていきました

だいじょうぶ

捨ててくる

ウインクを残して

ぼくの部屋の窓から

かの女は出ていきました

ついさっきのことは

まるで夢のようだ

星空を見あげながら

冷たい空気に身をあてる

煙草のけむりが

ゆっくりと

上昇していく

夜に溶けていく

口先だけのなぐさめは

まるで役立たずでした

上手についたつもりの噓も

見破ったもんね

ふたりで散歩した道を

歩いている途中です

ついさっきまでぼくら

とてもしあわせだった

星空を見あげながら

プールの金網に

額をつける

煙草のけむりが

ゆっくりと

上昇していく

きみみたいに

とてもおいしそうに煙草を吸うんだね

かの女はいつも

ぼくにそういった

けむりはふわりと風に運ばれて

かの女のいるところへ

届くだろうな

  • 作詞

    岩下啓亮 Sardine

  • 作曲

    岩下啓亮 Sardine

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『離してはいけない』は1996年9月1日に発表した、岩下啓亮の唯一の自主制作盤(CD)である。4月から制作をはじめ、約3ヶ月かかって完成した。作詞・作曲・編曲・演奏・歌・録音・編集・表紙イラストすべては岩下自身による。パートナーが録音の最中に適宜アドヴァイスしてくれたので「道案内」とクレジットを記した。当時はパソコン等を持っていなかったので、マスタリングと印刷は代々木のコジマ録音に頼んだ。500枚・ダンボール5箱を発注した。2000円の価格をつけたが、純粋に「売れた」のはせいぜい200枚程度。あとは方々に配りまくった(まだ押入れに100枚ほど残っている)。
以下、『ミュージックマガジン1997年1月号』の「自主制作盤」に掲載された(266~267ページ)、行川和彦氏の寸評を引用します。
<『離してはいけない』は、ピアノの弾き語り主体の7曲入りCD。エルトン・ジョン、トッド・ラングレン、ピート・タウンゼンドらの静かな曲に通じるなめらかな流れ、にじみ出るポップセンス、切なくなる歌声と旋律など、心に残るものがある。>

アーティスト情報

  • 岩下啓亮 Sardine

    鰯こと岩下啓亮 Sardineです。1985年から2002年までの18年間で、ひとり多重録音した楽曲を約150曲発掘しました。これらを厳選し、2024年に順次リリースしました。 1. 親しみやすい歌を集めたアンソロジー『Catchy 22』を2月24日に配信。 2. ビタースイートなアンソロジー第二集『鰯の告白』を3月23日に配信。 3. 社会派の作品集『21世紀のプロテストソング』を4月27日に配信。 4. ピアノの弾き語りによる『50 / 50』を5月24日に配信。 5. 青春のエレポップ『Everything / Nothing』を6月23日に配信。 6. 抒情歌集『離してはいけない』を7月15日に配信。 7. 問題作を集めた拾遺集『Cut 'N' Paste』を8月10日に配信。 ロマンチックと薄情と情熱の混淆、とりとめもない不安と届かぬものへの憧憬を描いた、オールディーズだけどもエヴァーグリーン。鰯の歌どもを、ぜひお聞きください。

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