歌詞

白い息を一息吐いたらほら、暖かな温もり

でも一瞬で消えてしまった

悴んだ手のひら、指先の冷たさが

この冬の寒さを直に伝わってくる

見渡せばほら、青みがかった白に染まった冬の町並み

小さくて淡い雪が頬にじわりと触れた

陽の光を浴びて白銀に染まった

凍ったアスファルトの霜が鏡の様に見えて

冬の嵐が過ぎ去り、やがてこの街一帯

寒さに飲まれた凍える世界へと化していった

足下転ばぬようにと地べた見たら

ほら、湿った地面には微かに滲んで消えた足跡

見渡せば枯れ葉のひとつもない裸の並木道

寒々しいその姿が、冬の厳しさを語った

空から降ってくるのは粉雪にも満たない

とても小さな雪結晶が溶けて肩に落ちてきた

見上げたら冬の空、そこに描かれていたのは

綺麗に澄み切った青空と真鱈模様の白い雲

冷たい空気が体温を徐々に奪う

「寒いね」と言いながら、白い息をそっと吐いたら

手のひらに暖かいイノチの温もりが

伝わった途端に段々と消えていった…

静かに眠るこの街に吹き抜ける旋風

首元に巻いたマフラーを飛ばせまいとその両手で押さえた

陽の光を浴びて白銀に輝いた

凍った水鏡の氷がガラスの様に見えて

見上げたら冬の空に色がつき始めていた

日暮れの時が段々と近付いてきた

あの夕陽に向かって駆け出したらそこには

色褪せた冬の景色が鮮やかに見えた

「綺麗だね…」と思いながら来た道を戻っていく

「今年も良い冬になりそうだね」と思い戻る