歌詞

夜明け前の薄闇(うすやみ)のなか

壁にもたれて立つ　さみしい鏡

誰もいない部屋にただ残されて

映し出すのは　過ぎ去った思い出

コーヒーカップの底に沈んだ

甘酸っぱい感情(きもち)をすくい上げてみる

映るはずのない昨日が

胸の奥をやわらかく傷つける

さみしい鏡は　僕の心も知ってる

笑顔の裏にある脆(もろ)い切なさ

触れられない想いを　そっと抱きしめるように

映し続けてくれる　行き場のない残像(ざんぞう)

もしあのとき素直に言えたなら

消えない光が　今もここにあったのかな

夕暮れの校舎(こうしゃ)に残る　声なき足音

思い出の中で　いまだにふと胸が疼(うず)く

何でもない会話や仕草さえ

なぜこんなに苦しく愛おしいのか

ポケットから取り出した写真は

色褪(いろあ)せかけた青春(あおはる)の証拠

「また明日ね」って笑い合えた日は

もう二度と戻らない青い奇跡

さみしい鏡よ　あの頃を見せてよ

嘘も迷いも全部知っててくれるから

とめどなく流れる時間に　飲み込まれそうでも

その刹那(せつな)を抱きとめて　忘れないでいて

こんな小さな願い事だけでも

叶うと信じたくなるのは　僕の弱さかな

壊れたかけらも　失くした痛みも

生きている証だと　気づき始めたよ

想い出にただ浸るだけの毎日じゃない

まだ走り続ける　僕らの物語(ストーリー)

さみしい鏡が　真実を映すたび

見えなかった僕自身に出会える

あの日のときめきと涙が　今の僕を育てたんだ

悲しくて愛おしい　すべての瞬間

新しい風が明日を呼んでる

もう少しだけ前を向いてみよう

そうやって　まだ夢を追いかけていく