歌詞

八月の気圧計が 嘘をついた午後

自販機の明かりだけが 僕らを照らしてた

君が笑うと世界の法則が 少しだけ歪むんだ

サイダーの泡になって 消えてしまいたかった

平行線だったはずの僕らの軌道が

一度だけ交わった あの奇跡を

なんて呼べばいい？

キネマティック・メモリー 君の瞬きひとつで

僕の宇宙は始まったんだよ

重力さえも無視して 舞い上がった心は

今もあの夏日の座標を 探して彷徨ってる

君が口ずさんだ 誰も知らない歌

理科室の匂いがした 路地裏の猫

世界の終わりなんて きっとこんな感じだって

二人で頷いた あの共犯関係

等速直線運動だったはずの毎日が

君という名の変数で バグってしまった

解けない数式みたいだ

キネマティック・メモリー 君の涙ひとしずくで

銀河系全部が滲んで見えたよ

因果律さえも飛び越え 駆け出したかった心は

今も君のいない未来の 解答用紙を睨んでる

もしも、もしもだよ？

この声が光の速さで

過去に届くのなら

「ありがとう」と「ごめんね」を

どっちから先に言えばいいかな

キネマティック・メモリー 君の「さよなら」ひとつで

僕の宇宙は終わってしまったんだ

どんな物理法則でも 説明できないこの痛みが

僕が君を好きだったことの 唯一の証明なんだ