歌詞

SMIRE - ひかりのしずく
― それは、心にそっと落ちる夏の“ひとしずく” ―

潮風が髪をなでる午後、ふと立ち止まった瞬間にだけ感じられる「思い出の気配」。
その一瞬のきらめきを音楽に変えて、SMIREが届ける新たな夏の名曲『ひかりのしずく』。

この楽曲は、90年代J-POPのエッセンスを大切にしながら、現代的な繊細さと透明感を織り交ぜたハートフルなサマー・バラードです。まるで映画のワンシーンのように情景が浮かび、歌詞のひとことひとことがまるで潮騒のように心をやさしく包み込みます。

SMIREの歌声は、囁くようなウィスパーボイス、儚くも力強い裏声、そして時折にじむかすれ声。そのすべてを駆使しながら、決して大げさにはならず、聴き手の心の奥にまっすぐ届くような表現力で歌い上げています。そのボーカルはまるで、かつて誰もが胸にしまっていた“あの夏”の感情を優しく撫でてくれるよう。

イントロでは、スカートを揺らす海風と、ふと目を閉じたときに蘇る「夏の記憶」が静かに描かれます。
そこから始まる物語は、夢を追いかける心、伝えられなかった想い、そして今なお胸に残るやさしさとぬくもり。
白い雲、打ち寄せる波、潮の香り。全編を通して描かれるのは、夏という季節がもたらす出会いと別れ、そしてそのすべてを愛おしく抱きしめようとするひとりの少女の心情です。

音楽的には、アコースティックギターのアルペジオやピアノ、ストリングスが繊細に重なり合い、風のようなアンビエントな音色が心地よく流れていきます。まるで浜辺に腰掛け、目を閉じて潮風を感じているかのようなサウンドデザインが印象的です。サビでは一気に感情が解き放たれるようにメロディが広がり、聴く人の胸を締めつけるような切なさと、光に満ちた希望が交錯します。

「消えてしまいそうな ひかりのしずく」――
その一滴に込められたのは、誰にも言えなかった夢の続き、伝えられなかった「ありがとう」、
そしてそれでも前を向こうとする、ひたむきな“今”の感情。

この曲が描くのは、ドラマティックな恋や劇的な別れではありません。
むしろ、その日常の中にある微かな揺れ、すれ違い、そしてそれでも相手を想う気持ち。
だからこそリアルで、だからこそ聴く人の記憶と自然に重なっていくのです。

最後のサビでは「あなたに出会えたこの奇跡を　私はずっと忘れない」と静かに歌い上げられ、楽曲はクライマックスへと向かいます。アウトロでは潮騒の中にやさしい記憶が溶けていくように、聴く者の胸の奥に余韻だけを残して終わります。

この楽曲は、ただ“聴く”だけではありません。
目を閉じれば風が吹き、まぶしい海が見え、誰かの笑顔が浮かびます。
SMIREはこの「ひかりのしずく」に、記憶、祈り、そして未来へのやさしい希望を込めました。

もしあなたが今、忘れられない夏の思い出を抱えているなら。
あるいは、ほんの少し立ち止まりたくなったなら。
ぜひこの一曲に身を委ねてください。

『ひかりのしずく』―― それは、心にそっと灯る、夏の光のかけら。