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塩たびのファーストアルバム『塩の叙事詩』は「塩」をモチーフに、生命の根源、記憶の継承、そして世界の美しさを描く、一つの音の叙事詩である。
アルバムは、リスナーを時空を超えた旅へと誘う。 その旅路において、「Salt Festival ― 祈りと炎の舞」は、生命が最も力強く燃え盛る「動」の瞬間を捉えている。プリミティブな太鼓のリズムとスピリチュアルなコーラスが織りなすのは、人々が炎と塩に祈りを捧げ、命の循環を祝う祝祭の夜だ。この熱狂的なエネルギーこそが、叙事詩の幕開けを告げる。
対照的に、「塩の継承 」は、物語の深淵に触れる「静」のエピローグとして存在する。すべての営みが終わりを迎え、そして同時に新たな始まりへと繋がっていく。ここでは、時間の流れそのものがテーマだ。我々は、静謐でありながらも圧倒的なスケール感を持つサウンドスケープの中で、命と記憶がどう受け継がれていくのかを深く瞑想することになる。
そして、この叙事詩は、「The World Is Beautiful」という名の、感動的な終章で締めくくられる。これは単なるフィナーレではなく、アルバム全体を通して探求してきた「塩の記憶」がたどり着いた最終的な答えだ。海の輝き、風の声、人々の営み——そのすべてが奇跡的な調和のもとに存在しているという、世界への大いなる感謝と希望のメッセージである。
熱狂的な祝祭から深い内省、そして世界の肯定をするまでの私たちの思いの一端を感じてほしい