

知らない番号が呼んでいる
知らない番号が鳴っている
誰のスマホも光ってないのに
テーブルだけ震えてる
知らない番号が呼んでいる
出たら知らない声がする
知らない番号が呼んでいる
切ると隣の席が黙る
曇りっぱなしの昼なのに
ポテトの油だけ明るい
友達たちは笑っていて
会話だけ少しズレていく
ファストフード店の2階席
紙トレーが少し曲がってる
氷の溶けたドリンクに
窓のはいいろが浮いている
隣の席の会話から
私たちの名前が出る
でも振り向くと
誰も知らない顔をしている
えっ
今うちらの話したよね
番号は知らない
声は知っている気がする
友達のスマホを見ても
着信履歴はカラっぽ
知らない番号が呼んでいる
出ないと会話が進まない
知らない番号が呼んでいる
出ると誰かが増えている
曇りっぱなしの昼なのに
店内放送が遠くなる
友達たちは笑っていて
私だけ順番を間違える
ブー
ブー
レシートの注文番号
さっきより一つ多い
4人で来たはずなのに
トレーがごまい並んでる
隣の席の女の子が
私たちの続きを話す
聞かないふりをするほど
こっちの声に似てくる
電話に出たら始まる
出なければ終わらない
知らない番号なのに
知らないままじゃいられない
パラドックスみたいに
ナゲットのハコが閉じていく
ねえ
その番号
私のじゃないのに
私が出なきゃダメな気がする
知らない番号が呼んでいる
友達たちが私を見る
知らない番号が呼んでいる
隣の席も私を見る
出たら誰かが消える気がする
切ったら私が消える気がする
曇りっぱなしの昼の中で
着信だけが続いている
紙トレー
ポテト
レシート
隣の会話
知らない番号
出なかった電話から
私の声が聞こえる
- 作詞者
MASAQUI
- 作曲者
MASAQUI
- プロデューサー
MASAQUI
- プログラミング
MASAQUI

MASAQUI の“知らない番号が呼んでいる”を
音楽配信サービスで聴く
ストリーミング / ダウンロード
- ⚫︎
知らない番号が呼んでいる
MASAQUI
「知らない番号が呼んでいる」は、曇りっぱなしの昼のファストフード店を舞台に、日常の中へ静かに侵入してくる違和感を描いた作品です。
友達との何気ない時間。隣の席の会話。鳴るはずのない着信。誰も知らない番号なのに、なぜか自分だけが応答しなければならない気がする。
現実と記憶と偶然がゆっくり混線していく中で、主人公は自分の存在そのものがどこへ接続されているのか分からなくなっていきます。
ローファイな質感と壊れた夢のような空気感で描かれる、都市生活に潜む小さな認識異常の記録です。



