歌詞

人生は、残酷だ

「明けない夜はない」

「止まない雨はない」

そんな決まり文句を、

何度、胸に押しつけられてきただろう

優しさのふりをした“正しさ”に

何度も、呼吸を奪われてきた

それでも

うなずく癖だけが、

僕の中に残っている

──ねえ、君も

そんなふうに

苦しんできたんじゃない？

どうか、

無理に励まさないでいい

君もまた、

希望のかたちに

押し込められた誰かなら──

僕は今の君に

「それでも大丈夫」なんて言わない

ただ、

隣で同じ夜を

じっと感じていたいだけなんだ

夜はまだ深くて

出口のないまま、

続いている

朝は、

まだ遠くにいて、

声も出せずに

泣いている

止まない雨に打たれて

濡れた手で

何をつかめばいいのか

わからないままでも、いい

僕も、君も

それでも──

わずかな光だけが

逃げ場みたいに

足元を照らしている

ひとひら、

花びらが落ちていく

意味もなく

名前もなく

音も立てずに

それでも、

とても静かに

人生は、残酷だ。

疑いようもない。

うまく生きられた人の足跡だけが

“正解”みたいに並ぶ世界で

立ち止まることさえ、

責められる

忘れたい夜ほど

身体は覚えていて、

平気なふりほど

心は、深く沈む

──ねえ、それでも

君が全部を投げ出さなかったのは

きっと、

まだ失くしきれていない

何かが、あったから

僕にもある

かすかな感情が

まだここで、

呼吸をしている

人生は残酷だ

それでも、

僕は明日を思ってしまう。

来なくてもいいのに、

思ってしまう

そして、

君のことを

思ってしまう。

届かなくても

意味がなくても

名前も呼べなくても

思ってしまう

正しくなくても

強くなくても

前を向けなくても──

今日を、

ただ“今日のまま”

終わらせたくない

だから

人生は残酷でも

僕はここにいる

君がここにいるように