Lyric

ささやいて 木々よ

風よ 語りかけて 葉の音を

重ねて もっとざわめいて

身体をかき鳴らして

崩れる ひとり ゆっくり

ああ 舞い落ちる 花びら

降り積もって そっと

ほら そっと 宙を舞ってく

ひらひら あてもなく

頬をつたう過去と

にじんで ただ混じってく

降り出した雨は 行き場なくした

儚い夢のように

嘘みたいだから あなたの陰は

まだここに居る

空の間にまに 問いかけてゆく

通り過ぎる 煙雨

風が鳴る 雲が泣き止む

モノクロの大地 霧を

抜けて 傷負った木々も 雫を濡らす

動き出す ひとり ゆっくり

夜が明けてく 朝焼け

緑の芽が そっと

ほら そっと 風に揺れてる

重ねた雲間から

生まれたての今日が

追い越してく

静寂の空は

目の覚めるような 声で詠う

面影は刹那に

光に紛れ 陰を抱きしめる

降り出した雨が

昨日の顔で 駆け抜けてゆく

夢の続きさえも

消してはくれぬ 淡い幻

空の間に間に 問いかけてゆく

通り過ぎる 煙雨

ささやいて 木々よ 風よ

名も知らぬ 鮮やかな 赤い花よ