歌詞

無機質なベランダ 全てはそこから始まった

乱雑な心象風景と絶え間のないドローンノイズ

日照不足な僕は 明日が来るのが怖くて

このまま目が覚めなければ良いと思っていた

画面の中の少女 名前も知らないあの子は

無秩序な空間を孤独に彷徨い続ける

そこに目的はない 意味なんて存在しない

だけど僕にはそれが不思議と心地良かった

誰かが言っていた "眠りの中に救いはない"って

教えてよジグムント 無意識が問いかける

答えが分からなくても今はそれで良かった

この心地良さにただ身を委ねたかった

けれども現実は残酷で 夢は次第に蝕まれた

夢だって所詮は現実の映し鏡なんだ

閉ざされた扉が鈍い音を立てて開くように

錆び付いた記憶が次々とフラッシュバックする

混乱した意識が火星に降り立った時

僕は悲しみと対峙した

心の底に残った消えることの無い傷

何よりの存在証明だった

日記帳の頁は とっくに終わりを迎えていた

結局僕の居場所は夢の中にすら無かった

無機質なベランダ そこが終わりか始まりか

考えている余地は僕には無かったんだ

困惑と恐怖の最中　自意識は強まるばかりで

僕はまだ夢の外へ飛び出せずにいる

交錯した精神世界の隅で一人きり

古ぼけたオルゴールの音色に耳を傾ける

ここは夢の辺境地

今まで僕が手にした全てのものは

とうとう散り散りになってしまった

もうここには何もない

夢の終わりは突然やってくる

否応なしに 全てに平等に

目を背けたくなる日々に

「おはよう」