Lyric

暗く雪が散らついて

手が悴む

深く息凪いで

妄と焦呟く

灰のように扱う

黒い眼を凝らし

火を閉じ込む

むさ苦しい鉄の足音

安堵なんか無い

最期まで絆されて

慣れたけど

遥か先の綺麗な光だって敵らしい

まるで愛と哀履き違えたような憂さ晴らし

燧みたいだ

記憶なんてさ忘れてたいな

無我夢中に灯火繋いで生きて

今日も逃げ惑うの

焚べては消されて

咽せて灰汁を思い知って

煤に手を翳す

もう火照りは無いけど

飛んで暖取る冬の虫のようにほら

雪解けて

煤汚れ落ちぬまま

明日も

屈託のない声と温もりを感じて

もういっそこのまま溶けてしまいたい

最悪なお目覚めさ

また生きなきゃ

理性なんてない

とっくに燃え尽きたようだ

自分じゃないみたい

だけど安と楽二文字で片付く現実

大嫌いだ

排反の中彷徨う

滾っても冷めて

寝ても覚めても明日は来て

強く手を翳す

もう治まらないから

飛んで火に入る夏の虫のようにほら

勇気を出して

もう悔いは無いと

赤黒く染まっていく

もうあの温もりには逢えないだろう

愛や悔いなんて忘れられないや

強がっていた

燧なのは僕だ

想いの知らせだ

焚べては消されて

咽せて悪を思い知って

煤に手を差し伸べて

もう涙落とさぬように

きっと待ってる

あの愛を

今度こそは悔いは無いと

黒ずんだ分

燈灯す

前みたいに火を囲んで笑っていよう

もう会えないだろうけど

見ていたかな

僕のこと