

信号待ちで 同じ傘が三つ
柄の色だけ 少しずつ違ってた
誰も気づかず ただ立っていた
くつひもが ほどけかけているのに
なぜか 誰もかがまなかった
アスファルトのほうが 気まずそうだった
傘の先が どこにも触れれない
ぬれているのは 地面ではなく
目の端だった
ショーウィンドウに 自分がいない
うつるのは 見知らぬ棚と
その奥で点滅する蛍光灯だけ
少し遅れて 雨の音が届く
まばたきの隙間で 誰かが笑った
いや、ちがう
タイヤが 水をはねただけだった
傘の先が どこにも触れれない
差し出したままの腕が
景色に吸われていく
交差点の真ん中で
誰かがしゃがんで ボタンを拾っていた
上着のものかは もうわからなかった
自販機のつり銭口に
五十円玉がひとつ 残っていて
誰も取らなかった
いや そもそも気づかれていなかった
傘の先が どこにも触れれない
傘だけが 浮いているようだった
誰のものでもなく 誰の上でもない
濡れてないのに 寒くなった
音がないのに 耳をふさぎたくなった
理由のないまま
ただ、まっすぐに差していた
傘の先が どこにも触れれない
そのことだけが
なぜか ずっと気にかかっていた
傘の先が どこにも触れれない
そのことだけが
なぜか ずっと気にかかっていた
- 作詞者
Galactic (Fire) kids
- 作曲者
Galactic (Fire) kids
- プロデューサー
Galactic (Fire) kids
- ボーカル
Galactic (Fire) kids
- ソングライター
Galactic (Fire) kids

Galactic (Fire) kids の“傘の先がどこにも触れれない”を
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- 1
さたでい
Galactic (Fire) kids
- 2
奥のほうに、たしかコップ
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- 3
水道のおと
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- 4
命を宿してしまった器官
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- 5
花と電気
Galactic (Fire) kids
- 6
なんでこの景色だけ忘れずにいるんだろう
Galactic (Fire) kids
- ⚫︎
傘の先がどこにも触れれない
Galactic (Fire) kids
- 8
檸檬水
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- 9
パーク・ライト・フリッカー
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- 10
誰も見てない
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- 11
たとえば骨だけ残ったら
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- 12
香料の墓場
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- 13
かなたへ消えた怪物
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- 14
量子の祈り
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- 15
沈んだ花
Galactic (Fire) kids
アルバム「さたでい」は、はっきりとした答えやメッセージを語らず、代わりに“見えないものの気配”を淡く記録した作品集。
土曜日という一日を、どこにも定着できない曖昧な存在の象徴として描き、幽霊のように漂う感覚や、音もなく重なり合う記憶の影を丁寧に紡いでいる。
マイノリティの視点をほんのりと匂わせながら、個々が持つ孤独や透明な痛みを、アコースティックで繊細なサウンドとともに表現。
日常のすき間にあるわずかな光や呼吸の気配を音に落とし込み、言葉にならないまま残される心の軌跡を追いかけるアルバム。
アーティスト情報
Galactic (Fire) kids
Based in Okinawa/Japan 都市の夜気や心の揺らぎを「日常に潜む現象」として映し出し、 「純粋な心で内にある熱を見つけ、それを宇宙のように広げたい」という思いを込めている。
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