

生まれた時点で 何か違ったのかもね
ひとつも間違えてないのに 全部が罰みたいだった
息をするだけで 責められてる気がして
正しさが ずっと自分を否定してきた
それでも まだ名前が残っていたのが不思議だった
あの部屋 もう昼か夜かもわかんなくて
名前を捨てたまま 何日も動かなかった
音が消えて 壁の模様だけが じっと睨んでた
天井に向かって 喋るふりだけしてたけど
返事なんてあるはずなかった 声が出ないことにも もう慣れてた
何か残したかなんて知らないし
あったとしても きっと誰にも見られたくないものだった
水の飲み方を忘れてた
喉は痛いのに 飲み込む理由がなかった
部屋の隅から腐ったにおいがしてた
「休めばいいよ」なんて言葉は あのときもう、棄てたはずのナイフだった
生まれた時点で 何か違ったのかもね
悲しいと思う機能なんて どこかで壊れてた
なにを見ても なにも起きなかった
皮膚が鉛みたいで 心臓の音が邪魔で仕方なかった
それでも 身体だけが ひどく静かに 生きていた
あのゴミ袋 まだあるよ ふたもしてない
「似合わない」「気持ち悪い」「変な色」
あの服たちが そこに積まれてる
冷蔵庫の光だけが いつもどおり点いたまま
普通の顔をしてくる人たちが 一番怖かった
こっちが黙ると やけに騒いでくるんだよ
会いたくなかった 誰にも 鏡にも
名前も 声も ぜんぶ音じゃなかった
風の音も ずっと「出てけ」って言ってた
もう全部終わったと思ったのに 呼吸だけがやめてくれなかった
シー
生まれた時点で 何か違ったのかもね
誰にも聞こえない声で 本当の名前を吐き出してた
その瞬間は なにひとつ始まらず
なにも変わらないまま
せめて無音で終わってくれればよかったのに
生まれた時点で 何か違ったのかもね
止まってほしかった 心臓も 空も 時間も
「男らしく」も「女らしく」も 全部まぶしくて見えなかった
祈り方なんて知らなかった ただ静かに 濁った泥になりたかった
「生きたい」なんて言葉は この部屋には存在しなかったよ
生まれた時点で 何か違ったのかもね
世界が回る限り この痛みも消えないなら
こっちじゃなくて 世界の方をやめたかった
ほんとうに ほんとうに いなくなりたかった
ねえ わかる? ただ「そのまま」じゃ だめだったんだ
生まれた時点で 何か違ったのかもね
世界が回る限り この痛みも消えないなら
こっちじゃなくて 世界の方をやめたかった
こっちじゃなくて 世界の方をやめたかった
ほんとうに ほんとうに いなくなりたかった
ねえ わかる? ただ「そのまま」じゃ だめだったんだ
- 作詞者
Galactic (Fire) kids
- 作曲者
Galactic (Fire) kids
- プロデューサー
Galactic (Fire) kids
- ボーカル
Galactic (Fire) kids
- ソングライター
Galactic (Fire) kids

Galactic (Fire) kids の“たとえば骨だけ残ったら”を
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ストリーミング / ダウンロード
- 1
さたでい
Galactic (Fire) kids
- 2
奥のほうに、たしかコップ
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- 3
水道のおと
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- 4
命を宿してしまった器官
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- 5
花と電気
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- 6
なんでこの景色だけ忘れずにいるんだろう
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- 7
傘の先がどこにも触れれない
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- 8
檸檬水
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- 9
パーク・ライト・フリッカー
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- 10
誰も見てない
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- ⚫︎
たとえば骨だけ残ったら
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- 12
香料の墓場
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- 13
かなたへ消えた怪物
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- 14
量子の祈り
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- 15
沈んだ花
Galactic (Fire) kids
アルバム「さたでい」は、はっきりとした答えやメッセージを語らず、代わりに“見えないものの気配”を淡く記録した作品集。
土曜日という一日を、どこにも定着できない曖昧な存在の象徴として描き、幽霊のように漂う感覚や、音もなく重なり合う記憶の影を丁寧に紡いでいる。
マイノリティの視点をほんのりと匂わせながら、個々が持つ孤独や透明な痛みを、アコースティックで繊細なサウンドとともに表現。
日常のすき間にあるわずかな光や呼吸の気配を音に落とし込み、言葉にならないまま残される心の軌跡を追いかけるアルバム。
アーティスト情報
Galactic (Fire) kids
Based in Okinawa/Japan 都市の夜気や心の揺らぎを「日常に潜む現象」として映し出し、 「純粋な心で内にある熱を見つけ、それを宇宙のように広げたい」という思いを込めている。
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