さたでいのジャケット写真

歌詞

量子の祈り

Galactic (Fire) kids

真空に息を預け

量子の隙間で 誰かの祈りが重力波に変わる

アンドロメダの向こう 青方偏移しながら

ケプラー442bで 誰かが泣いている

無重力の寝室では

こぼれた涙が 重力を忘れ

不規則に記憶を揺らしながら

心の特異点へと 静かに収束する

ラララ

宇宙の隅で 微弱な信号を受信した

137億光年の彼方から届いたのは

「記憶の半減期を延ばしてほしい

ここにも エントロピーに逆らう意識がある」

絶対零度の静寂に 心房細動がこだまし

空間の膨張速度を越えてなお

誰かが歌っている 可視光では見えない

電磁波に変換された 眠れぬ子守唄

光速で逃げても 時間は鈍く引き延ばされ

赤方偏移した響きが 宇宙の果てへ伝播していく

プランク長の声で 叫びたかった

ラララ

「神よ もしダークマターに潜んでいるのなら

この均質に膨張する闇の中で

熱死へ向かう魂たちの

エネルギー準位を 一段だけ上げてくれ」

超新星は元素を合成し

炭素と酸素を 宇宙に還元した

だが情報だけは 保存され続ける

事象の地平線の その境界で

無重力の産声が

記憶を 完全な球体に変えた

だが 重力レンズに歪められ

観測者の網膜へと 像を落とす

ラララ

宇宙の隅で 僕は振動している

素粒子にも届かぬ この周波数で

それでも歌い続ける

ここにも 波動関数は 収束している

ここにも まだ コヒーレンスは残っている

宇宙の隅で 今日も共鳴し

プランク定数ほどの光を放ち続ける

誰かが観測してくれるまで

ラララ

虚数時間の深みに 祈りが響く

ビッグリップまでの残り時間を抱えたまま

この座標に 僕はまだいる

存在確率は ゼロではない

時空の曲率が 僕を包み

孤独という名の 暗黒エネルギーとともに

それでも 歌う

宇宙が 聞いているから

ラララ

  • 作詞者

    Galactic (Fire) kids

  • 作曲者

    Galactic (Fire) kids

  • プロデューサー

    Galactic (Fire) kids

  • ボーカル

    Galactic (Fire) kids

  • ソングライター

    Galactic (Fire) kids

さたでいのジャケット写真

Galactic (Fire) kids の“量子の祈り”を

音楽配信サービスで聴く

ストリーミング / ダウンロード

アルバム「さたでい」は、はっきりとした答えやメッセージを語らず、代わりに“見えないものの気配”を淡く記録した作品集。
土曜日という一日を、どこにも定着できない曖昧な存在の象徴として描き、幽霊のように漂う感覚や、音もなく重なり合う記憶の影を丁寧に紡いでいる。
マイノリティの視点をほんのりと匂わせながら、個々が持つ孤独や透明な痛みを、アコースティックで繊細なサウンドとともに表現。
日常のすき間にあるわずかな光や呼吸の気配を音に落とし込み、言葉にならないまま残される心の軌跡を追いかけるアルバム。

アーティスト情報

"