

薄明かりが壁に溶けて
眠れぬままに朝を迎える
カーテンの隙間、静けさは
なにも知らぬ顔をしていた
冷たい水を一口だけ
喉を通ってもなにも変わらない
昨日の続きがそのまま
今日に貼りついていた
水道のおと
それだけが部屋を満たしていた
もう泣けない もう笑えない
ただ、音だけが生きている
水道のおと
あたたかいものは全部 遠ざかって
この身体に、心がない
言葉が刺さるより前に
沈んだ目が全部を拒んだ
「迷惑だよ」と聞こえたようで
耳を塞いでも まだ、響いてた
誰も悪くないってこと
本当は知ってた
でも、それが
いちばん つらい
水道のおと
冷房の風が感情を削っていく
生きてるのに、生きていない
ずっと前から透けていた
水道のおと
夜が明けても変わらない
この部屋ごと、沈んでいく
もし、ここにいなければ
あの人の悩みは減るのかな
もし、何者でもなければ
重荷にもなれなかったかな
痛みを伝える術が
全部、壊れてしまったあとで
ただ、静かに
心がいなくなった
水道のおと
誰も来ないまま ただ、朝になる
名前のない存在のまま
今日も透明なまま
水道のおと
答えも、声も、何もいらない
ただこのまま 消えていたい
水道のおと
それが最後に聞いた音だった
誰にも気づかれないままで
やっと重さを手放せた
水道のおと
もう何も響かない
空っぽのコップが 揺れていた
- 作詞者
Galactic (Fire) kids
- 作曲者
Galactic (Fire) kids
- プロデューサー
Galactic (Fire) kids
- ボーカル
Galactic (Fire) kids
- ソングライター
Galactic (Fire) kids

Galactic (Fire) kids の“水道のおと”を
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ストリーミング / ダウンロード
- 1
さたでい
Galactic (Fire) kids
- 2
奥のほうに、たしかコップ
Galactic (Fire) kids
- ⚫︎
水道のおと
Galactic (Fire) kids
- 4
命を宿してしまった器官
Galactic (Fire) kids
- 5
花と電気
Galactic (Fire) kids
- 6
なんでこの景色だけ忘れずにいるんだろう
Galactic (Fire) kids
- 7
傘の先がどこにも触れれない
Galactic (Fire) kids
- 8
檸檬水
Galactic (Fire) kids
- 9
パーク・ライト・フリッカー
Galactic (Fire) kids
- 10
誰も見てない
Galactic (Fire) kids
- 11
たとえば骨だけ残ったら
Galactic (Fire) kids
- 12
香料の墓場
Galactic (Fire) kids
- 13
かなたへ消えた怪物
Galactic (Fire) kids
- 14
量子の祈り
Galactic (Fire) kids
- 15
沈んだ花
Galactic (Fire) kids
アルバム「さたでい」は、はっきりとした答えやメッセージを語らず、代わりに“見えないものの気配”を淡く記録した作品集。
土曜日という一日を、どこにも定着できない曖昧な存在の象徴として描き、幽霊のように漂う感覚や、音もなく重なり合う記憶の影を丁寧に紡いでいる。
マイノリティの視点をほんのりと匂わせながら、個々が持つ孤独や透明な痛みを、アコースティックで繊細なサウンドとともに表現。
日常のすき間にあるわずかな光や呼吸の気配を音に落とし込み、言葉にならないまま残される心の軌跡を追いかけるアルバム。
アーティスト情報
Galactic (Fire) kids
Based in Okinawa/Japan 都市の夜気や心の揺らぎを「日常に潜む現象」として映し出し、 「純粋な心で内にある熱を見つけ、それを宇宙のように広げたい」という思いを込めている。
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