

パッとついた電気が
なにも知らぬ顔で壁を照らす
その手前に立っていたのに
誰にも気づかれなかった
雨はもう止んでいたけど
耳の奥はまだ濡れていて
あれは風じゃなかった
違う違ったんだ
妙に明るい蛍光灯
その白さがやけに現実的で
手をかざしてみても
熱はなくかたちだけが残る
言葉にできなかった声が
胸の底にすこしだけ沈んで
呼ばないまま秋が過ぎていく
散ったのは花じゃない
見えない方のほうだった
見てたよ
ここにいたよ
まだ、ちゃんと息をしてたよ
パッと消えた電気が
さっきまでの孤独に輪郭を与えた
冷えた袖が腕に触れて
あの日の黙りかたを思い出す
誰の声でもなかったのに
叱られたような気がしていた
着替えもせずに
ただ、夜に残っていた
落ちたのは花じゃなく
不要になったと思われた気配だった
呼ばれなかったことが
いちばん応えた
なにも言えないまま
最近の風は
あたたかくすこし濁ってて
大丈夫、と黙って見てた
穏やかな空気のなか
なにかをずっと求めてた
ぼやけた記憶みたいに
湿った夜をすくい上げていた
後悔は生活の隙間に
じわじわと染みてきた
ようやく考えられるようになったけど
間に合わないことばかりだった
また風が吹くのを待って
充電もせずうなずいて
眠るように消えていった
- 作詞者
Galactic (Fire) kids
- 作曲者
Galactic (Fire) kids
- プロデューサー
Galactic (Fire) kids
- ボーカル
Galactic (Fire) kids

Galactic (Fire) kids の“花と電気”を
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ストリーミング / ダウンロード
- 1
さたでい
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- 2
奥のほうに、たしかコップ
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- 3
水道のおと
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- 4
命を宿してしまった器官
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- ⚫︎
花と電気
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- 6
なんでこの景色だけ忘れずにいるんだろう
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- 7
傘の先がどこにも触れれない
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- 8
檸檬水
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- 9
パーク・ライト・フリッカー
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- 10
誰も見てない
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- 11
たとえば骨だけ残ったら
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- 12
香料の墓場
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- 13
かなたへ消えた怪物
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- 14
量子の祈り
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- 15
沈んだ花
Galactic (Fire) kids
アルバム「さたでい」は、はっきりとした答えやメッセージを語らず、代わりに“見えないものの気配”を淡く記録した作品集。
土曜日という一日を、どこにも定着できない曖昧な存在の象徴として描き、幽霊のように漂う感覚や、音もなく重なり合う記憶の影を丁寧に紡いでいる。
マイノリティの視点をほんのりと匂わせながら、個々が持つ孤独や透明な痛みを、アコースティックで繊細なサウンドとともに表現。
日常のすき間にあるわずかな光や呼吸の気配を音に落とし込み、言葉にならないまま残される心の軌跡を追いかけるアルバム。
アーティスト情報
Galactic (Fire) kids
Based in Okinawa/Japan 都市の夜気や心の揺らぎを「日常に潜む現象」として映し出し、 「純粋な心で内にある熱を見つけ、それを宇宙のように広げたい」という思いを込めている。
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