さたでいのジャケット写真

歌詞

花と電気

Galactic (Fire) kids

パッとついた電気が

なにも知らぬ顔で壁を照らす

その手前に立っていたのに

誰にも気づかれなかった

雨はもう止んでいたけど

耳の奥はまだ濡れていて

あれは風じゃなかった

違う違ったんだ

妙に明るい蛍光灯

その白さがやけに現実的で

手をかざしてみても

熱はなくかたちだけが残る

言葉にできなかった声が

胸の底にすこしだけ沈んで

呼ばないまま秋が過ぎていく

散ったのは花じゃない

見えない方のほうだった

見てたよ

ここにいたよ

まだ、ちゃんと息をしてたよ

パッと消えた電気が

さっきまでの孤独に輪郭を与えた

冷えた袖が腕に触れて

あの日の黙りかたを思い出す

誰の声でもなかったのに

叱られたような気がしていた

着替えもせずに

ただ、夜に残っていた

落ちたのは花じゃなく

不要になったと思われた気配だった

呼ばれなかったことが

いちばん応えた

なにも言えないまま

最近の風は

あたたかくすこし濁ってて

大丈夫、と黙って見てた

穏やかな空気のなか

なにかをずっと求めてた

ぼやけた記憶みたいに

湿った夜をすくい上げていた

後悔は生活の隙間に

じわじわと染みてきた

ようやく考えられるようになったけど

間に合わないことばかりだった

また風が吹くのを待って

充電もせずうなずいて

眠るように消えていった

  • 作詞者

    Galactic (Fire) kids

  • 作曲者

    Galactic (Fire) kids

  • プロデューサー

    Galactic (Fire) kids

  • ボーカル

    Galactic (Fire) kids

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アルバム「さたでい」は、はっきりとした答えやメッセージを語らず、代わりに“見えないものの気配”を淡く記録した作品集。
土曜日という一日を、どこにも定着できない曖昧な存在の象徴として描き、幽霊のように漂う感覚や、音もなく重なり合う記憶の影を丁寧に紡いでいる。
マイノリティの視点をほんのりと匂わせながら、個々が持つ孤独や透明な痛みを、アコースティックで繊細なサウンドとともに表現。
日常のすき間にあるわずかな光や呼吸の気配を音に落とし込み、言葉にならないまま残される心の軌跡を追いかけるアルバム。

アーティスト情報

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