

カラス鳴く 夜明けの手前
墨のぬくもり まだ残り
誰もいない机の上で
言葉は静かに 世界を開く
黒は闇じゃない 始まりの色
一線ごとに 景色は澄んでいく
奇跡は祈りじゃなく
掌から そっと立ち上がるもの
迦楼羅は 空を飛び 火を吹く
風が紙をめくるたび
顔真卿の無念の奥で
一本の線が 運命を起こす
「仏とは何か」と問う声に
雲門がふっと 微笑むように
「乾屎橛すら 宇宙のかけらだ」と告げる
♪♪♪
黒は罪じゃない 生命の形
削るほどに 光が滲み出す
奇跡は探すものじゃない
この瞬間こそが 呼吸している
辞書の頁を そっと閉じれば
今日もまた 一本の線が残る
静かな夜のその向こう
新しい朝は すでに始まっている
- 作詞者
Kneeking Records
- 作曲者
Kneeking Records
- プロデューサー
Kneeking Records
- プログラミング
Kneeking Records

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から きせ 〜 カラスの奇跡 〜
Kneeking Records
『から きせ 〜 カラスの奇跡 〜』は、2024年2月の「辞書の旅」で辿った、
“烏(からす)から奇跡(きせき)へと至る道のり”を
ひとつの物語として紡いだ歌です。
夜明け前の静寂、まだ温もりの残る墨、
迦楼羅(かるら)が焦がす空、
そして顔真卿(がんしんけい)の悲願が宿る一筆――。
辞書の頁と書の世界が重なり合い、
黒い線の奥から光が立ち上がる瞬間を描きました。
奇跡とは祈りではなく、
手を伸ばし、線を刻む者の“いま”に息づくもの。
黒は闇ではなく、始まりの色である――
その確信を、静かな呼吸とともに音へと落とし込んだ作品です。
辞書を読み、言葉を写し、書を揮毫するという
日々の積み重ねから生まれた、
Kneeking Recordsならではの“辞書詩歌”。
静けさの底にある熱、
たった一筆が世界を変える力を、
そっと感じていただけたら幸いです。
アーティスト情報
Kneeking Records
Kneeking Records(ニーキング・レコーズ)は、「辞書の旅」の魂を音楽で表現する独立系レーベルです。 設立者は、書道家・辞書の旅人・元キックボクシング世界王者の佐藤嘉洋(さとう よしひろ)。 2013年より日本語辞典を一頁ずつ読み解き、その語釈をもとに詩・音楽・書作品を創作する「辞書の旅」プロジェクトを展開。 日々の言葉の発見とともに、その記録は今もなお積み重ねられています。 ジャンルは、Reggae、J‑POP、R&B、Soul、House、Gospel、Funk、Ska、時にはPunk Rockまで多岐にわたり、 “耳心地のよいサウンド”を追求しながら、言葉のリズム、書と声の交差する唯一無二の音楽世界を発信しています。
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