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1960年代の日本の歌謡曲・叙情歌の黄金期を彷彿とさせる、BPM58の極めてスローで内省的な演歌調バラードです。アコースティックギターの繊細なフィンガーピッキングと、深く響くウッドベース、放置された空間を惜しむようなブラッシュド・スネアが土台を作り、そこに箏(こと)の儚い一音が日本の伝統的な陰音階(短調ペンタトニック)のメロディを添えます。ヴィンテージな日本のスタジオ録音の質感とアナログテープ特有の温かみが、楽曲全体に心地よい「わびさび」の情緒をもたらしています。
ボーカルは、耳元で囁くように極限まで親密(インティメイト)で吐息混じりの女性の声。歌詞は、今はもう繋がらない「黒電話の七桁の番号」を指先が覚えてしまっている切なさと、留守番テープに残されたかつての恋人の気配を愛おしむ姿を描いています。ブリッジでの「もしもし、もしもし」という語りから感情の頂点へと達する展開は、現代的な音圧補正やオートチューン、西洋的なコードの常套句を一切排除したからこそ、聴く者の胸を締め付ける生々しいカタルシスと、どこか救いのある静かな希望を生み出しています。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。