

夕方の荻窪 プレスの湯気
番号札を 出して受け取る
ビニールの中は 同じ形の
ベージュの外套(コート) 冬の匂い
部屋で羽織れば 袖が余って
留め違うボタン 右と左
畳みかけた腕に 重さが残る
裏地のサテン 違う光
今夜返せば ただの間違い
袖を通せば 借りた冬
返しそびれた なんて嘘ね
知らない石鹸 かすかに香る
畳んだ外套(コート) 抱えて店へ
カウンターの前 振り向いた人
「道理で今朝は 見つからないと」
揃いの番号 札を出し合う
畳んで返せば 元通りの冬
間違えない子と 呼ばれて育った
一度くらいはと 外の風まで
間違いは返す 夜は返さない
今夜は返す ひと晩の冬
袖を抜ければ 空気が冷たい
渡す間際に 襟だけ直して
知らない石鹸 遠くなる
自分の外套(コート)の 袖に腕を入れ
軽さの分だけ 裏地が冷たい
越してきて二度目の 粉雪の暮れ
温めなおす 私の冬
- 作詞者
Akemi
- 作曲者
Akemi
- プロデューサー
nanayon music
- ミキシングエンジニア
nanayon music
- ボーカル
Akemi

Akemi の“取り違えのデュエット”を
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取り違えのデュエット
Akemi
「取り違えのデュエット」は、番号札の読み違いで他人の外套を持ち帰ってしまった冬の夕方から、間違いは返しても借りたひと晩だけは手放さないと決めるまでを描いたミディアムテンポのシティポップ。
夕方の荻窪、プレスの湯気、ビニール越しの同じ形のベージュの外套、余る袖と逆に留めるボタン、そして知らない石鹸の香り――取り違えた一着がまとう他人の冬の質感が、正しさの中で育った女がふと踏み込む、名前のない遭遇の輪郭を静かに浮かび上がらせる。
架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、「間違えない子」と呼ばれて育ちながら、初めての美しい取り違えをひと晩だけ自分の側に置き、翌夕には襟だけ直して返しにいく大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、冬の街、商店街のクリーニング店、すれ違う他人との距離感を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。
カウンター越しに揃いの番号札を出し合い、同じものを選ぶ感覚だけを分け合う一瞬。
間違いは店へ返し、まとったひと晩だけは誰にも渡さず、自分の冬を温めなおす――そんな静かな遭遇の始まりを描いた楽曲。
Produced by nanayon music.
アーティスト情報
Akemi
1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。
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nanayon music



