便箋のエアラインのジャケット写真

歌詞

便箋のエアライン

Akemi

三軒茶屋の 卓袱台の前

消印の日付 指でなぞる

薄紙一枚 前より軽くて

赤と青の縁 目が離せない

「元気でいてね」 指が止まる

基地の柵沿い 二つの看板

「OFF LIMITS」と 「立入禁止」

読めるのに 温度が違った

便箋を 光に透かせば

裏の文字が 滲んで浮かぶ

PAR AVION 赤と青だけ確かで

指の影だけ 行間を渡る

新しい便箋を 裏返した

「大丈夫」まで書いて ペンを置いた

街の匂いも 窓の色も

決まり文句を 私も書いた

流しに立って 水を飲み干した

声を避けて 紙を選んだ夜

聞こえなければ 疑わずにすんだ

それなのに今 紙が喋っている

便箋を 折り目で畳んで

封筒の角 そっと整える

PAR AVION 赤と青だけ残して

返事を書かず 椅子を引くの

「本当のことを書いて」

唇で消した

PAR AVIONのシールだけ 指でなぞる

白い便箋 引き出しに落とす

  • 作詞者

    Akemi

  • 作曲者

    Akemi

  • プロデューサー

    nanayon music

  • ミキシングエンジニア

    nanayon music

  • ボーカル

    Akemi

便箋のエアラインのジャケット写真

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    便箋のエアライン

    Akemi

「便箋のエアライン」は、海の向こうから届いた航空便の定型句に重なった自分の返事の薄さを知り、返事を書かないことを自分で選ぶ夜を描いたミディアムテンポのシティポップ。
三軒茶屋の卓袱台、赤と青の縁、PAR AVIONのシール、基地の柵沿いに並ぶ二つの看板、そして引き出しの奥へ落ちていく白い便箋――「元気でいてね」と書き合ってきた二人の手紙が、気づけば決まり文句と決まり文句の応酬に変わりつつある夜の心象風景を浮かび上がらせる。

架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、相手の言葉が形式に変わった瞬間を責めるのではなく、自分もまた同じ形式を書いていたことに気づき、返事の手を止める大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、航空便、手紙、定型句、二国間の沈黙を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。

「本当のことを書いて」と言いかけた言葉を唇で消し、白い便箋を引き出しに落とす。返事を書かないという沈黙を自分で選んで椅子を引く――そんな、形式の中で終わっていく無名の文通を描いた楽曲。
Produced by nanayon music.

アーティスト情報

  • Akemi

    1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。

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