Mermaid bone Front Cover

Lyric

Outro : Morning calm

CLAM AND MIRAGE

東の空が白む。海面が黒から青に色を変えていくのを、貝たちだけが見ていた。泡立つ砂に身を埋め、規則的に呼吸を繰り返す、ただ在る沈黙が朝を迎えようとしている、その最中に、少女がひとり浜に降りてくる。

砂はまだ昨日降った雨を含んでいて、ひどく頼りない彼女の足取りが、くっきりと跡を残した。海から来る風に煽られて、細い肢体が不安定に揺れる。白いシャツが膨らみ、飛び立とうとする雛が羽を広げているようにも見えた。

波打ち際に立ち、少女はゆっくりと、水平線をなぞるように視線を動かした。凪いでいた。沈黙だけがそこにあることを確認した。行く先を見失ったように、海面から上がる陽にただ顔を向け、ローファーの爪先が水に濡れても、空と海が真っ青に変わっても、そうしていた。

やがて、名も知らぬ鳥の鳴き声がして、見晴るかす海の向こうに、大きな影が立ち現れてくる。鉄塔と工場、肩を寄せ合う家々、それらは徐々に確かな形を持ち、水平線を埋めていく。少女はようやく瞼を伏せ、その知らない街の風景に背を向けて、自分の足跡を辿り始めた。

  • Lyricist

    Koyoi

  • Composer

    CLAM AND MIRAGE

Mermaid bone Front Cover

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  • 1

    Be Vacuous

    CLAM AND MIRAGE

  • 2

    I hear the sea roar

    CLAM AND MIRAGE

  • 3

    Interlude : Rain shelter

    CLAM AND MIRAGE

  • 4

    Last Scene

    CLAM AND MIRAGE

  • ⚫︎

    Outro : Morning calm

    CLAM AND MIRAGE

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