Lyric

蝋燭の灯りだけが

君の横顔を照らしてた

大したことないって

君はそう呟いたけど

静かすぎる部屋で

君の呼吸だけが

熱に浮かされた蝶の羽音みたいに

浅く 速くなっていくの

融かした水晶の一滴が

その頬を伝い落ちた

呼吸さえも罪になる静寂に

ただ心が見惚れてた

あたしじゃない誰かのため

君はそんな顔で泣けるんだね

君の心に棲む

あたしの知らないその影が

少しだけ ほんの少しだけ

憎らしいよ

その涙いつか

あたしだけのため

涸れるまで流させて

君が語る彼女は

いつも優しく笑ってる

もっと素直になればよかったなんて

今更だねって言うけど

君が語る面影は

未来のあたしのための

道標になった

君が語る面影に

あたしは決してなれない

そのどうしようもない事実に

ただ唇を噛み締めた

君の心の一番

奥にあるその聖域から

眠り続ける彼女の影を

この手でそっと

消し去ってあげたい

そしてささやくの

もう大丈夫だよって

あたしが君の

すべてになるから

だからあたしは

君の腕の中で

世界で一番

幸せになるの

君の知らない歌を覚え

君の好きな花を部屋に飾るの

このありふれた奇跡を

一日一日 焼き付けて

そしていつか君を置いて

一番綺麗なままで

そっと朽ちてあげる

あたしがいなくなったら

その瞳で

あたしのために泣いてくれる

世界で一番美しい涙で

行かないでって

声を枯らして

名前を呼んでくれる

君の記憶の祭壇で

永遠にあたしが眠るの

もっと美しい

愛され方を

そして

綺麗な逝き方を