Behind the grain millのジャケット写真

Behind the grain mill

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トラックリスト

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90年代後半の過剰に商業化されたニュー・メタルや過度なピッチ補正(no autotuned vocals)、配置されたチープなラジオ向けのポップ・シェーンを徹底的に焼き尽くし、1990年代初頭のシアトルで産声を上げた生々しいオルタナティヴ・ロック(Grunge alternative rock, Pacific Northwest sound)の衝動を宿した、不器用で肉厚なインディー・ロックです。BPM75-80前後の重厚なミドルテンポの推進力。イントロから全編にわたり、ドロップD調弦(heavy drop-D guitar)による地鳴りのような分厚いクランチギターの壁と、生々しい空気感を残したドラム(organic room ambience)がミックスの天井を支配。特にスネアの太いアタック(wet reverb on snare)と、深くうねるベースが、一切のギミックを排した無骨なダイナミズムを構築しています。

歌詞の核となるのは、センチメンタリズムを力でねじ伏せるフラットな現実主義。「10月の濁った川、財布に残された色褪せた写真、Spokaneで出会った過去を捨てた女。完璧な明日への回路を完全に遮断され、停滞のなかでただ自らの実存を受け入れていく男の平熱の独白」。あえて掠れやひび割れ(vocal crack and grit)をそのまま剥き出しにした至近距離のドライなボーカルは、ヴァースの抑えられた静寂から、サビ(コーラス)に入った瞬間、感情の堰を切ったような爆発的な咆哮(explosive chorus)へとビルドアップされ、圧倒的なカタルシスを放ちます。特筆すべきは、終盤のブリッジ(Bridge)で発動する「隠された仕掛け」。ドラマーが「1拍目を8分音符1つぶん意図的に遅らせて叩く(drummer plays the '1' one eighth-note late)」という修正無しの不穏な揺らぎが、リスナーの無意識に心地よい時間歪曲の錯覚を植え付けます。最後はフェードアウトを真っ向から拒絶し、歪んだコードの自然なフィードバック(natural feedback decay)の途中で、カミソリのようにプツンと音が完全遮断(hard stop on the resonance)される、引き算の美学の極致を提示する大傑作です。

アーティスト情報