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リバーブを効かせたドリームポップ(reverb-heavy dream pop)や、J-Pop的な綺麗に解決するメロディ(J-pop melodic resolution)、そして壮大なストリングスや多重コーラスを徹底的に焼き尽くし、1990年代末の東京の地下スタジオ(late 90s tokyo production)が放っていた「逃げ場のない密室の焦燥」を形にしたヘビー・オルタナティヴロックです。BPM90前後の平熱のスピード感。アタックの強い歪んだエレキギター(distorted electric guitar)が執拗にチョーキングをミュートし、生々しいフレットノイズを伴いながら中音域を飽和させ、スネアの過激なトランジント・クリッピングと、タイトにセンターへ定位した乾いたキックが、一切の余韻を許さない濃密な音響(small-live room production)を構築しています。
歌詞の核となるのは、コンテクストを力でねじ伏せるフラットな現実主義。「夜の台所、冷めていく水温、シンクに積み重なる食器。終わってしまった関係への不器用な諦念と、謝る言葉すら持たなかった主人公の身体的な実存」。NUMBER GIRLや初期の椎名林檎を彷彿とさせるボーカルは、喉を締め付けたチェストボイス(compressed throat vocal)での会話的な字余りの字足らずを貫き、ピッチ補正を完全に拒絶。感情の負荷によって母音が崩壊する生々しい声の摩擦や、フレーズの合間の神経質な呼吸をあえて剥き出しのまま耳元に張り付かせます。中盤のブリッジで、すべての楽器が突如消失し、一瞬の「完全な乾いたセリフ(洗い終わった)」を経たのち、最後は解決を完全に拒絶したリフレインの途中でカミソリのようにプツンと音が完全遮断(instant cutoff)される、引き算の美学の極致を提示する大傑作です。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。