曇りのち、 -Code HITSUJI I-のジャケット写真

歌詞

さっき

静描詩家 信和

「さっき」と言った出来事が

ずっと前のことだった

日をまたいで続く記憶

子どもの時間は線のよう

手をつないで階段を

駆け下りる足の音

予定よりも少しだけ

違う道を選んだ

右と左の違いより

君の今を信じてみた

時計のない世界へ

一歩踏み出すように

「さっき」と君が言った

その言葉が光ってた

過去も今も未来も

一つの中にあるみたいで

ぼくは思った

今を閉じずに

この温度を

残していたい

落ち葉の絨毯カサカサと

足元で鳴っている

山の上伸びる道

一筋の記憶みたいだ

「上に行く?」と聞くと

君はすぐにうなずいた

少しだけ手を強く

握った その温もり

一週間も遠くはない

君の中では全部「今」

上書きされていない

心の短針

「さっき」と君が言った

その言葉が光ってた

過去も今も未来も

一つの中にあるみたいで

過去も未来も

解けながら

この瞬間に

そっと溶けていく

ぼくは知らないうちに

時間を並べてきた

でも君は

並べずに生きている

ぼくが探していた

完成の形を

君はもう

今生きている

「さっき」と君が言った

その言葉が光ってた

過去も今も未来も

一つの中にあるみたいで

ぼくは思った

今を閉じずに

この温度を

残していたい

「さっき」と君が言った

その言葉が光ってた

過去も今も未来も

一つの中にあるみたいで

過去も未来も

解けながら

この瞬間に

そっと溶けていく

夕焼けが綺麗だね

みかんみたいな色だね

過去も未来も

今の中に

  • 作詞者

    静描詩家 信和

  • 作曲者

    静描詩家 信和

  • プロデューサー

    静描詩家 信和

  • ボーカル

    静描詩家 信和

  • その他の楽器

    静描詩家 信和

曇りのち、 -Code HITSUJI I-のジャケット写真

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『曇りのち、』は、
日常の小さな瞬間から生まれた11曲を収録したアルバム。

Code HITSUJIは、
日常の中でふいに心が動いた瞬間を、
音として記録するプロジェクト。

ある日、ショッピングモールの子ども用トイレで、
3歳の息子が失敗をした。

思わず強い言葉で怒ってしまい、
そのあとに残ったのは後悔だった。

その日の夕方、公園で出会った子どもたちは、
暗闇の中でも楽しそうに遊び続けていた。

外灯のない公園だったが、
子どもたちのまわりだけが、
ほのかな光を灯しているように見えた。

怒ってしまった心と、
あたたかくなった心。
その両方を連れて、今日が静かに暮れていく。

またある日、駅のエレベーターの前で、
息子は迷わずボタンを押し続けていた。

乗っていく人たちが「ありがとう」と声をかける。
誰に教えられたわけでもなく、
見て、感じて、選び、
そのまま体を動かしていた。

そして別の日、
息子が「いいよ」と言った、その一瞬の顔が
ずっと頭に残っている。

自分の気持ちを少しだけ引っ込めて、
小さな葛藤を抱えたまま言った「いいよ」。

言葉になる前の、
ほんの一瞬の表情。

その気配が、ぼくの心に残った。

本作に収録された楽曲は、
そんな日常の一瞬から生まれている。

「さっき」
「押し続けるボタン」
「ことばの前」
「少しへ伸びる手」

どれも、
親と子のあいだに流れる静かな時間をすくい取った記録。

『曇りのち、』は、
日常の中にある小さな気配を、
そっと音にしたアルバム。

アーティスト情報

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