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星の降る夜の坂道を舞台に、触れられなかった距離と、言わなかった“ひとつ”を描く。ギターのリフが軽やかに走る一方で、ボーカルは息継ぎや沈黙を残し、感情の輪郭だけを置いていく。
明るい運動量と、胸の奥に沈む言葉。その対比が、聴くたびに違う意味を連れてくる一曲。
ShiRo(しろ)は、日本を拠点に活動するインディペンデント・アーティスト。夜の帰り道、駅へ続く坂、自販機の白い光、吐く息の温度──そんな「生活の端に落ちている情景」を、Lo-fi/チルの質感と、J-POP的なメロディ感のあいだで丁寧にすくい上げる。大きな言葉で言い切るより、言えなかった気持ちの輪郭や、沈黙の長さを音で残すことを大切にしている。 作り始めたきっかけは、夜にふと浮かぶ感情を、言葉だけでは受け止めきれない瞬間が増えたことだった。SNSの短い投稿ではこぼれてしまう余韻、誰にも言わずに抱えたままの小さな震え。それらを「曲」という時間に閉じ込めれば、同じような夜を持つ誰かの手に、そっと渡せる気がした。ShiRoの音楽は、聴く人に答えを押しつけない。その代わり、胸の奥で遅れて光るものを、やさしく照らす。 サウンド面では、丸いキックと控えめなスネア、少しだけ揺れるハットのグルーヴ、Rhodesやミュートピアノのレイヤー、ほんのわずかなテープワブルや空気感を用いて、肌ざわりのあるミックスを組み立てる。完璧に整列したビートより、わずかなズレや呼吸が、聴く人の心拍に寄り添うと信じている。ループの中に、ふっと色が変わるコードや、遅れて入る一音を忍ばせるのも特徴だ。何気ない日常の中で、ふいに胸が締めつけられる瞬間──その「理由のない感情」を、音の陰影として描く。 制作ではDAWを中心に、演奏・打ち込み・編集を一人で行う。最近は生成AIも、絵筆の一つとして取り入れている。AIに任せきりにするのではなく、素材を引き出し、選び、削り、並べ替え、最後に「自分の手触り」に整える。たとえば、メロディの一節を何十通りも試し、言葉の抑揚に似た間を探し、リバーブの残り方で季節の温度を決める。AIはきっかけを増やしてくれるが、曲の芯を決めるのは、結局いつも自分の記憶と感情だというスタンスは変わらない。