※ 試聴は反映までに時間がかかる場合があります。
※ 著作権管理事業者等が管理する楽曲は試聴できません。
「電気を消した寝室に響く静かな寝息や、冷蔵庫の前での他愛のない会話など、飾らない日常の愛おしさ」を至近距離でパッケージングした、BPM84(Fメジャー)のウォーム・オーガニック・アコースティック・フォークです。クリックトラックを排した生演奏のタイム感のなか、ヴァースのフレーズ間に意図的に配置された「静寂のポケット(空白)」が、同じ部屋で呼吸を合わせているかのような圧倒的な実存感を演出します。音響の核となるのは、弾き手の指先が見えるようなアコースティックギターの指弾き(フィンガーピッキング)と、1.1Hzの穏やかな周期で揺らめく暖かなRhodes(ローズ・エレクトリックピアノ)のコードパッド。ヴァース2から3拍目にそっと滑り込んでくるブラッシュスネアと、低音を優しく支えるアップライトベースのパルスが、一歩ずつ歩むような生活の推進力を生み出しています。
ボーカルは、言葉の生々しさを最優先するためにすべてひらがな表記で構成された、ピッチ補正(オートチューン)無しの男性リード。J-POP特有の過剰な音圧や大袈裟なストリングスを完全に拒絶し、かすかな掠れや息遣いをそのまま残しています。サビ(コーラス)に達すると、ステレオ幅がパノラマに優しく広がり、最後のサビで初めて重ねられる不完全な2声のハーモニーが、部屋の片隅で寄り添いながら歌っているかのような深い信頼感を演出します。最後はフェードアウトによる誤魔化しを排し、引き算の美学(サブトラクション)によって徐々に楽器が去っていき、ベースの自然な減衰とギターの最後の単音が消えた瞬間、環境音(ルームノイズ)ごと完全な真空の静寂へと遮断される幕切れが、胸にじんわりと温かい余韻を残す名作です。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。