リリース日: 2026/09/26
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十一月の夜の、電話の話――。
鳴らない電話のそばで、靴の音を数えている。階段で止まった足音は、違う人だった。窓を叩くのは木枯らし。掃かずにおいた枯れ
葉が、ドアの前で踊っている。「用があるなら切って」なんて言えたらいいのに、言えないまま受話器の前に座っている。
今回は擬音語だけで歌える曲を作りたかった。はらはら、ざわざわ、こつこつ、じりじり。落ち葉が舞う音と、胸が騒ぐ音は、たぶん同じ音だと思う。70年代の終わりから80年代のはじめの歌謡ポップスの鳴りを借りて、前奏は2小節だけ、すぐサビが始まる。
サビのたびに「もう待たないわ」と言い切って、そのあとで「と言いながら」とひっくり返す。強がりを三回くり返して、四回目の大サビでだけ、それが本当になる。「と言ったら、走ってた」。落ち葉とおんなじだった私が、落ち葉を蹴とばして外へ出ていく。
はらはら、ざわざわ。変わらないのは胸の音だけで、変わったのは足のほう。そこを聴いてほしい。