リリース日: 2026/09/15
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秋の夜の、坂道の話――。
待ち合わせに二十分も早く着いて、時計を三回見て、それでもつま先が動いてしまう。信号が変わるのを待てずに、階段は二段とば
し。心臓のほうが先に走り出していて、私はそれを追いかけている。誰かを好きになりはじめたときの、あの止まれない感じを、そ
のまま曲にした。
今回は少し趣を変えて、80年代の半ばごろのシンセポップの鳴りで作った。刻むシンセのリフに、打ち込みのドラムと手拍子。前奏
はなくて、1拍目からサビが始まる。走り出したら止まらない曲なので、入口で待たせたくなかった。
Aメロはゆっくりに聞こえて、サビで一気に速くなる。テンポはずっと同じなのに、そう聞こえる。恋をしているときの時間は、たぶ
んそういうふうに流れている。
最後の大サビは半音上がって、「止まらない」が「止めない」に変わる。止まってくれないのではなく、私が止めない。そこだけ、
聴いて確かめてほしい。