THE RAPPERのジャケット写真

歌詞

夜明け (feat. Kentakku)

CHIN-HURTZ

ああもう朝だ 鳥が鳴いてら

話しこんじまった

今日の始まりか終わりか

それよりもう少しいていいか?

もう一杯飲んでいくよ

朝のコーヒー格別だな

香りがいい 換気もしなきゃな

窓の外は騒がしい、

戦争で持ちきりの話、世界は闇

でもその中にいる俺たち

この時間だけは平和と入り混じる

長くは続かないこのアジト

大切にしようぜコーヒーチリンを

風が気持ちいい 想像してみ

あの全てが洗われる感じ

味わった事きっとあるし

朝5時外に出てみ!

チュンチュンチュン

鳥が朝ナビゲート

長引く俺の話のパレード

付き合うおまえも好きよのう

だが俺も楽しい時間よストップ!

「全然まだいていいよ!

俺も今日は仕事を遅らすよ。」

それじゃあ次はあの話をしよう

聞いてくれ俺の話

ゲームはハマらないくらい

くだらないのがオススメ

シミュレーションがいい

常に先を予測して備える

やはり素早さに割り振るステータス

俺のターン来る前にやられるなら

それより早く行動するしかない

やったもん勝ちこの世界も同じ

次にやる事とかでかい目標持ち

この年になると目標が薄れてく

だから残り火を大事に燃やしてく

年内にアルバム作れなかったら

やめる、今もそうしてる

もう俺には時間が残されてない。

ダラダラやるなら

ここにいる意味ない

親を心配する年になった

それだけさ!また話し込んじまった

チュンチュンチュン

鳥が朝ナビゲート

長引く俺の話のパレード

付き合うおまえも好きよのう

だが俺も楽しい時間よストップ!

「全然まだいていいよ!

俺も今日は仕事を遅らすよ。」

それじゃあ次はあの話をしよう

聞いてくれ俺の話

俺はただ話したいだけ

それが曲に反映されてるだろ?

ライムは踏みたい時に踏む

メッセージ性を重視、

ライムはスポンジ

だが俺にしか作れない曲もある

俺なりの芸術量産しまくる

(俺と)会えなくても聞いてくれよな

生きていた!

とここに置いていく気持ち

2PACみたく死んでもなお流行る

死んでからいっぱい

ディグられたりしてさ

チンハーツは永遠を生きる

この夜明けみたくさ チクタク

おっともうさすがにヤバい

帰るとするよ!外のカオスな社会

それじゃ次はあの日に落ち合おう

話すだけ話した俺を許してくれ。

ガチャ

チュンチュンチュン。。。

月火水木金

また一週間が過ぎる

春夏秋冬って

共に歳を重ねる

夜の臭いがまた変わる頃

変わらず何も無い日を

共有し続けてるな俺ら

またここで話す

っていうより9割聞いてる

返事とかする隙間もなくて

これじゃラジオとほぼ互角

気づけば朝、鳴いてる鳥

晴れそうだな今日ホリーデイ

日付変わって今日だけど

また明日!

チュンチュンチュン。。。

  • 作詞

    CHIN-HURTZ, Kentakku

  • 作曲

    CHIN-HURTZ, Kentakku

  • プロデューサー

    Arch Beats

THE RAPPERのジャケット写真

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(Recommend by DJ H!ROKi)
 直近5年間ではMETEORとの制作やライブを中心に活動していたCHIN-HURTZが、ソロとしては約3年半ぶりとなるアルバム「THE RAPPER」をリリースした。
CHIN-HURTZはこれまでに「LOST CLASSICS」(2016) と「RESTART」(2019) という2作品を発表しているが、
いずれも彼の音楽活動の変遷において重要な意味を持つ作品である。
「LOST CLASSICS」は、自身の名前を冠したイベント”CHIN-HURTZ PARTY”を主催するなど、最も活発な動きを見せていた2010年前後に制作しながら、訳あってお蔵入りになってしまった楽曲群をコンパイルしたアルバム。
そして「RESTART」は、紆余曲折を経てKLOVAL RECORDSという新たな活動基盤を手に入れ、タイトルのとおり自らの再起を宣言した作品であった。
この2作については、今回のアルバムの最後に収録されている”今だから話そう”でも、本人の言葉で語られている。
そして「THE RAPPER」と名付けられた最新作もまた、彼のキャリアにおいて「特別な意味」を持つ作品となった。
その「特別な意味」をリリックの中から発見し理解することで、リスナーは本作のビターな味わいを深く感じられる作りとなっている。

 1曲目の“プロローグ”において、CHIN-HURTZは戦時下における自分自身の姿を描いている。それもMETEORとの”悪霊退治”シリーズのような荒唐無稽な描写ではなく、現実世界での出来事が反映されたような重苦しい描写だ。
これまでの作品ではポジティブなメッセージの楽曲やリリックが多かったので、過去2作品を聴いたことのあるリスナーは、アルバムの冒頭からCHIN-HURTZに何らかの変化があったことに気が付くだろう。
また、戦時中という設定はアルバム終盤の11曲目”夜明け”にも再び登場する。2曲目から10曲目までは、前2作と同様に仲間やクラブ、ライブや酒といったトピックや、あるいはMETEOR & CHIN-HURTZ名義での作品に見られた空想世界をテーマとした楽曲が続くので、アルバムの中でもこの”プロローグ”と”夜明け”の存在感が際立っている。
アルバム全体の構成から考えても、この2曲には他の楽曲とは違った想いが込められていることは明らかだ。その中でもとくに印象的だったのが、“夜明け”におけるCHIN-HURTZのバースの締め括りとなる次の一節だ。

おっと、もうさすがにやばい 帰るとするよ、外のカオスな社会

それじゃ次はあの日に落ち会おう 話すだけ話した俺を許してくれ

 “夜明け”は、戦時中に仲間とのアジトで深夜から早朝まで語り合う場面を描いた楽曲だ。「外のカオスな社会」とは、楽曲の設定では文字どおりアジトの外に広がっている戦時下の混乱した社会を示しているが、CHIN-HURTZにとっての「カオスな社会」とは一体何なのだろうか。

 ラッパーとして初めてステージに立ってから現在に至る人生の中で、CHIN-HURTZは実に様々な困難に直面してきた。
それらは12曲目の”今だから話そう”で具体的に示されており、また、直近での最も大きな出来事については、6曲目の”徒然”の中で語られている。本作を聴いて、あるいはCHIN-HURTZ本人と接して思うのは、彼がこれらの局面を打開できたのは、ラップすることと仲間の存在の二つが彼の精神的な支柱となっていたからではないか、ということだ。
心の支えを両方とも失ってしまう、あるいはその両方から遠ざかってしまうような環境こそが、彼にとっての「カオスな社会」なのではないかと思う。また、リリックにもあるように、どうやら彼はこれから「外のカオスな社会」に帰っていくようだ。
おそらく、半分は自分の意思、そして半分は現在自分が置かれた状況によって。たとえ自分が心から望んでいなくても、時として厳しい選択を迫られるときがある。そのような人生の不条理さや非情さ、あるいは岐路に立たされている自分の心情を示すものとして、彼は今回のアルバムの中で「戦争」というトピックを選んだのではないだろうか。物語と現実が交錯した、彼ならではの表現力が発揮された楽曲だ。

 CHIN-HURTZはこれから一体どうなるのだろうか。だが、これまでも現実と空想の世界を自由に行き来してきたラッパーなので、心配は無用だろう。あの日に落ち会えるのを楽しみに、まずは「THE RAPPER」を聴こう。

アーティスト情報

KLOVAL RECORDS

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