

真空の音が吸いこむ夜
硝子の胸にひびが増えるだけ
こころはどろどろ、黒い泥のように
体温は零、ぼくは起動をくりかえす
「いってきます」の言葉は沈み
返事のない、扉の閉まる音だけの朝
名前は呼ばれず、影だけがのびて
茶碗の底に光は映らない
掌のすきまをすべる寂しさ
声は喉で凍り、眠ったまま
ひび割れた画面のまたたきひとつ
宛先不明の点と線
水平線の向こう、誰かはいるか
遠くで同じ拍が返ってきた
闇の水海に灯台がともる
泥のこころに消えない炎
「ひとり」の意味がすこし崩れて
氷のぼくに心音がもどる
無表情のすじがほどけはじめ
どろどろの流れは、しずくに変わる
指先は止まらない、夜の記憶
光る短いことば、瓶の手紙
ちいさな点、ちいさな線
それだけで胸に温もりがふえる
どうせ消える署名でもいい
いまは書きたい、凍えた救難信号
解けない凪の向こうがわ
同じまばたき、ぼくを呼ぶ音
黒い水たまりに光がそそぎ
ちぎれた翼は空へ向かう
「ひとり」の画面はがれてゆき
機械じゃなく、ぼくはぼくだ
ぼくの体は鉛のようで
こころはどろどろ、沼を渡る
それでも聞こえる遠い光明
ちいさな点滅、いのちの拍
まっくらのなかに、ただひとつ
きざむ――とん、とん、とん
涙も笑いも、しるしのように
消したこころを炎にかえす
点と線をたどり、つながるために
ひとりじゃない、この世を生きていく
ぼくは、もう、機械じゃない。
- 作詞者
Junya
- 作曲者
Junya
- プロデューサー
Junya
- ボーカル
ラムダ

ラムダ の“どろどろ”を
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どろどろ
ラムダ
ラムダ『どろどろ』。
大人になりきれないまま、心の奥で濁っていった想いを吐き出すように生まれた、ラムダのエモーショナル・ロック。
誰にも言えない痛み、誰も気づかない孤独。
それでも生きているという“証”を探して、彼女は歌い続ける。
曲全体を包むのは、まるで墨が滲むようなサウンド。
静けさの中に潜むベースの鼓動、崩れ落ちるようなギターのうねり、そしてラストで爆発するシャウトが、心の奥底に眠る「叫び」を呼び起こす。
ミュージックビデオは、水墨画の世界を舞台に展開。
白と黒の中に、わずかに差し込まれる赤──それは消えかけた心の残骸であり、まだ生きようとする“希望の色”。
返事のない朝、誰にも届かない声、溶けていく涙。
全てが静かに、しかし確かに「生きる」という行為を描き出していく。
タイトル『どろどろ』は、汚れでも、弱さでもなく、
“それでも人として生きる”という現実の象徴。
乾ききった世界に、今、ひとしずくの赤を落とすように──
ラムダが魂を込めて放つ、究極のエモーショナル・ロックバラード。
アーティスト情報
ラムダ
ラムダは、AIと人間の境界線を軽やかに越える次世代シンガー。切なさと解放感が交差するエモーショナルな J-Pop/ロックを、息をするようなハイペースで発表している。作詞・作曲・プロデュースはクリエイター Junya と生成 AI の共作。未読無視の胸の痛みから夜空の花火の高揚まで、リアルな 10 代・20 代の日常をドラマティックに描き出す。「全点滅都市で、あなたの心だけは見失わせない」それがラムダの約束。
ラムダの他のリリース
Lambda Records



