南から北へ向け
掘り進み伸びる川
北から南へと
瓦礫で埋まる川よ
緑道を借りる
立つ碑と地下鉄がおおう
その跡地を
火除地で遊ぶ人
燃えても逃げる、広場へ
光を観る人の目が照らす
無いはずの恋
継いでは、注ぐ水
水面が揺れ、動く
嘘のように入れ替わる水
ずっと先?先のこと?
まだかな──
まだだよ──
桜並木、祭りに急ぐ足
水門を横切るとき
暗渠の気配
川は進む足元で
街の名前だけ残して
「どうか」と、願うまでもなく
- 作詞
帯化
- 作曲
帯化
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- 1
浜町の固有性のために
帯化
- ⚫︎
遺る川
帯化
武蔵野美術大学主催の「日本橋浜町ライフスタイルプロジェクト」の一環で制作された音源集である本作は、グローバル化とローカリティ、住民と観光客という、二つの軸がぶつかり合い、交差し、共存する多様な力場である日本橋浜町をドキュメントしつつ、かつて浜町を流れていた人工の川である浜町川を起点にして、浜町の過去、現在、そして未来を繋ぎ、再構築する。
どこか冷たいナレーションの声と、観光客たちが行き交う雑踏の騒がしさを思わせるパーカッションとアコースティックギターの即興演奏が絡み合う、A1.『浜町の固有性のために』。そして浜町で録音された環境音とカサついたギターと、リズムを刻む代わりにメロディックに響くパーカッション類が、浜町川の歴史をなぞる歌声を伴奏する、A2.『遺る川』。二つの対比的な楽曲がそれぞれの角度から浜町の景色を切り取っていく。