Lyric

我々は知らず 知ることも叶わず

この恐るべき暗がりの中 投げ入れられて

ただ転げただけの実が

星に引かれたとか宣うのは

きっとまたあの蛇の奴が

唆したんだろう？

私が今居る位置と 見つめているその向きと

パンプスが締め付ける足が大地を蹴る力と

全てわかるなら 悪魔でも構わない

さぁ 求めてよ ねぇ 導いてよ ほら 教えて

それで全てが解き明かせるのなら

求め得るものはもうどこにも無いな

有ること 為すこと 同じこと？

《m》と《c》による審判だ

貴方の祈りはきっと私には届かない

定められたのは 只中の座標

集えばそこは頂となる

空を目指して ただ伸びていく

恐れも知らず 畏れも知らず

ガラス張りの《本社ビル》

音も無く滑るエレベーター

誰もが同じ言葉を話せる筈と違えて

振り落とすことこそが合理だと言うのなら

怒りに触れ 雷よ降れ パイプ椅子を蹴飛ばせ

その一言で裁けるなら

プロトコルを詰めた箱でしかないな

やること為すこと

一言目を確かめていくだけの審判だ

私の祈りもあんたらに届きはしない

反証可能な言明から成るテーゼ

半宵に浸す身 鮮明になる脳に

必要なのは一筋 黎明を見るように

手を放す 私が落とされたのか

貴方がもう降りられなくなったのか

視界を過ぎる窓 加速度は変わらない

それさえ過ちとしてきた叡智

磨かれたフロア あのシャンデリア

ダンスパーティのお作法

お誘いの手は お相手よりも

低くから差し出して

踊れや踊れ 回るステップの

一つ一つが周転円

削ぎ落す外れ値の数だけ

シンプルな記述で世界を説明することができるだろう

冴えたやり方があるのなら

それはわからぬまま ただ残す留保

尚も在り方を騙るなら

それは取りも直さず侵犯だ

全てが解き明かせるのなら

求め得るものはもうどこにも無いな

有ること 為すこと 同じこと？

《m》と《c》による審判だ

震える語尾を遮るような

声ばかりが響き渡るこの《会議室》

去る者は追わず 来るものを

選り分ける悪魔 過熱していくのなら

二度と来るかこの《冒す者共》が

あんたらは知らず 知ることも叶わず

だけれども暗がりを振り返ることもせずに

さよなら