影絵のアフターグロウのジャケット写真

歌詞

影絵のアフターグロウ

Akemi

押入れの奥から 紙の灯籠

去年の夏が 畳に立つの

マッチを擦って 芯に近づけ

小さな炎が ひとつ点る

あなたがくれた 切り絵の羽根が

温まるほどに ゆっくり回る

壁に巡るのは 馬と並木と

あの夏の縁日 神泉の坂

影が壁を巡る 同じ速さで

追いつけそうで 手は届かない

回るあいだは あの夏のまま

紙の向こうに 灯が揺れてる

芯をつまんで 灯を落とせば

羽根はすぐには 止まらないまま

余熱がもう一度 影を巡らせ

それから静かに 壁が暗くなる

帰れる町を 選んで出てきた

夜の車窓で 灯が流れた

見送るのには 慣れているから

回り終えるまで そっと見ている

壁の影が止まる 夏が静まる

最後の一巡 畳に降りて

追わずに見てる 暗くなる壁

余熱だけが まだ熱を持つ

「まだ回ってた」 声にはしないで

濡れた指で 芯をつまんで消す

冷えた灯籠に 去年の匂い

壁にはもう何も 巡らない夜

  • 作詞者

    Akemi

  • 作曲者

    Akemi

  • プロデューサー

    nanayon music

  • ミキシングエンジニア

    nanayon music

  • ボーカル

    Akemi

影絵のアフターグロウのジャケット写真

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    影絵のアフターグロウ

    Akemi

「影絵のアフターグロウ」は、もう会わない人がくれた回り灯籠を夏の終わりの夜にひとりで点け、壁を巡る影を最後まで見送る余韻と回想を描いたミディアムテンポのシティポップ。
押入れの奥から出した紙の灯籠、畳に立ち上がる去年の夏、擦ったマッチの小さな炎、切り絵の羽根が壁に映す馬と並木、そして火を消したあとに余熱でもう一巡だけ回る影――呼び戻すのでなく見送るための手つきが、過ぎた時間の残光を静かに浮かび上がらせる。

架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、同じ熱ではもう回らないと知りながら、それでも夏ごとに一度だけ灯を点し、終わりを終わりとして自分の指で閉じる大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、夏の終わりの夜、切り絵の影、去年の匂いを描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。

芯をつまんで灯を落としても、余熱に押された羽根はすぐには止まらず、影が最後にひと巡りして壁が暗くなる。
「まだ回ってた」という一言を声にはせず、濡れた指で芯をつまんで自分で消す――そんな過ぎた夏の残光を、追わずに見送る余韻を描いた楽曲。
Produced by nanayon music.

アーティスト情報

nanayon music

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