Lyric

「インスタ交換しよー！」

無理矢理取られた携帯

ユーザー名を検索「またするよ連絡」

液晶に映る文字「フォローされました」

迷惑じゃ無いけれど疑問が浮かんだ

繋がりに対して抱いた疑いは

様々な事情を抱えたお互いが

断片を無理矢理繋いだ事による弊害

小さい箱から見えるそこは人の生活

例えば100人フォローしてる人がいたら

100人の喜怒哀楽を同時に

受け取っている訳だろ？

そもそも人間にはキャパシティが足りない

対面するだけでも疲れるのに

昔よく遊んでいた友達から先日

メッセージが来て軽く飲む事になった

高そうな服お洒落さんと繋がりたい

#お前さんは誰なんだい

友達が1人増えました

その人のお名前はフォロワーさん

得体の知れない未知との遭遇

いいねの数好みの共有

友達が1人増えました

その人のお名前は匿名さん

どこからとも無く突如現れて

しれっと日常に溶け込んでくる

Snsは形を持たないコミュニティ

それは乾杯の出来ない飲み会と同じ

何気無い言動がデータとして残って

当の本人はそこから遠ざかっていく

誰かのリツイートによって回ってきた

あるおじいちゃんが電車内で怒鳴っている動画

愛の無いコメント背景は結構

正義を振りかざし吊し上げるイベント

きっとリツイートした本人は悪気なんてなくて

お茶でも飲むくらいに自然な事なんだろう

実際に会った時にはそんな事も忘れて

いつも通りとても優しいんだろう

だけど俺はそれが凄く怖く感じる

リアルでもネットでも本人の言動

境界線なんてもんは引かない方が良い

言葉の出口が変わっただけ

友達が1人増えました

その人のお名前はフォロワーさん

得体の知れない未知との遭遇

いいねの数好みの共有

友達が1人増えました

その人のお名前は匿名さん

どこからとも無く突如現れて

しれっと日常に溶け込んでくる

だいぶ前イベントで一緒だった人と

偶然町でばったりお互いに気付いて

「元気だった？」「俺子供産まれてさ」

「おめでとうございます」「それじゃあまた」

便利さは時に感情を殺すことがあって

知る為の手間を省く行為は偽善

何の理由も無いのに何か会いたくなる

本当はきっとそれくらいで良い

友達が1人増えました

その人のお名前はフォロワーさん

得体の知れない未知との遭遇

いいねの数好みの共有

友達が1人増えました

その人のお名前は匿名さん

どこからとも無く突如現れて

しれっと日常に溶け込んでくる