歌詞

胸の奥に　ログイン試行

何度やっても弾かれるアクセス

「近づかないで」と笑うたび

自分に言ってるみたいで苦しい

セキュリティで固めた心

警告音だけ　虚しく響く

触れられるほど脆いこと

誰にも知られたくなかった

何を守ってるのか

自分さえわからない

正しい距離（ディスタンス）ばかり

計算していた

パスワードは存在しない

破られたくないくせに

誰かの指先が触れたら

すぐに溶けてしまう

「入ってこないで」と叫びながら

ほんとは気づいてる

拒絶の裏側で

ずっと　誰かを待ってること

通知だけが増えていく夜

返せないまま落ちていく気持ち

誰かの優しさが刺さるのは

受け入れる勇気がない証

暗号化した言葉ばかり

すれ違う心　タイムアウト

“好き”の一文字さえ

正しく送信できない

触れられた途端に

壊れそうな気がして

近づく手をまた

振り払ってしまう

パスワードは存在しない

守りたいのは孤独じゃない

曖昧な痛みの奥で

叫ぶ声がしてる

「ほんとは入ってきて」と

認めれば楽なのに

素直じゃない心が

また扉を閉ざす

もしもすべてを晒して

嫌われたなら終わり

それでもこの胸の奥で

灯りが揺れてる

“誰かに見つけてほしい”

その願いだけが本音

パスワードは存在しない

壊れかけた扉越しに

そっと伸びてきた手だけが

私を救い出す

拒絶の影を抜けて

いま光が差し込む

アクセス許可を出すのは

ほかでもない、この私