時は治承のはじめつ方 東国に挙がる鬨の声
笹竜胆の旗波は 北国、南海、西海の時勢の風に力増し
揚羽の蝶を翻弄す その揚羽なる平家一門の行く末は
平清盛入道の命の灯と重なれり
さるほどに清盛入道は 病みつきし日よりして
身の熱きこと火をたくがごとく 水をまきても
あばら浮く身をほとばしり 焔となりて燃えければ
あた、あたとばかりなり
北の方二位殿は 枕辺にようよう寄りて
御有様見奉るに もはや頼み少のう見えさせ給え
この世に思い置かるることあらば仰せ給えと涙とどめず申せば
清盛入道いと苦しき息の下
我はじめ数ならぬ身にありしかど保元平治の乱よりこのかた度々の朝敵を平らげ
かたじけなくも帝祖、太政大臣に至り この世の栄華は子孫に及び
今生の望み一つとして残る処なしと申すも
ややありて 空をねめつけ体震わせ
母、池禅尼のたっての願いにほだされて 命助けしかの小童
伊豆国の流人 前兵衛佐頼朝が この清盛に 我が一門に弓引くことぞ
あな口惜しや情けなや かの首刎ね 必ず我が墓前にかけよと
身に残る力の限り言い放つ
その言の葉は入道の身を焦がす焔とともに巻き上がり
千里万里にこだまして なお 天地を揺るがす心地すれど
祇園精舎の鐘の音は 諸行無常と鳴り響き
沙羅双樹の花の色に 盛者必衰を見るごとく
宿運ここに尽きければ 蒼天をゆく鳳も
遂にむなしくなりにけり
- 作詞
尾方蝶嘉
- 作曲
尾方蝶嘉
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筑前琵琶奏者 尾方蝶嘉の演奏作品集。 万葉集や平家物語を題材にした新たなオリジナル曲
過去ランキング
入道死去(五弦筑前琵琶)
Apple Music • 演歌 トップソング • 中国 • 3位 • 2021年4月27日 Apple Music • 演歌 トップソング • ノルウェー • 3位 • 2023年7月9日 Apple Music • 演歌 トップソング • ロシア • 3位 • 2023年1月17日 Apple Music • 演歌 トップソング • オーストラリア • 4位 • 2022年9月13日 Apple Music • 演歌 トップソング • カナダ • 17位 • 2024年9月13日 Apple Music • 演歌 トップソング • アメリカ • 21位 • 2021年11月2日 Apple Music • 演歌 トップソング • フランス • 43位 • 2023年10月15日 Apple Music • 演歌 トップソング • ドイツ • 79位 • 2024年8月30日 Apple Music • 演歌 トップソング • 台湾 • 89位 • 2023年4月29日アーティスト情報
尾方蝶嘉
13才、筑前琵琶に出会う。 嶺旭蝶、青山旭子に師事。 琵琶による現代邦楽を田原順子に師事。 演奏活動は、異分野や海外アーティストとの作品共同制作、美術作品とのコラボレーションなどにも及び多岐にわたるジャンルを問わない活動をしている。 琵琶曲の作詞・作曲等も手がける 古典を深めるとともに様々な題材の中に人間の「情」を深く描き出すこと、美しさと力強さをもつ作品の創作を目指す。 筑前琵琶嘉の会(よしのかい)主宰。 筑前琵琶 嶺青流 師範 日本琵琶楽協会会員。
尾方蝶嘉