Lyric

ありがとう。そして、ごめんね。

あたたかくて優しい手

繋いで歩ける白線の上

帰る時間を知らせるチャイム

一日一回の合唱タイム

ただいまを言って靴をそろえて

手を洗ってうがいをして

お腹がすいたとせがむ私に

揚げ菓子を作ってくれました

時が流れ

深い影は心も思い出さえも蝕んだ

あの日の優しい呼び声も

あの穏やかなほほえみも

どこへ行ったの？

ごめんね、ごめんね。

今になって思うよ

もっと向き合えばよかったって

もっとわかってあげられたら

ごめんね、ごめんね。天に向かい叫ぶ

新月の夜でした

光が消えた日でした

長く生きてりゃいろんなことが

たくさんあるよって口癖で

尽きることのない回想録は

アカデミー賞級の超大作

離れ離れ

最期の時が来るまで

私の名前を呼んでいた

プレゼントした帽子を

いつも膝に置き笑っていた

それを知ったのは逢えなくなった日でした

ありがとう、ありがとう。

幸せに生きてます

ちゃんと見ていてくれたんだね

ちゃんと想っててくれたこと

ありがとう、ありがとう。心に叫ぶ

新月の夜でした

でもぬくもりは消えません

あふれる想いの中でいちばん伝えたい言葉

手紙にして鶴にして夜空に

むくんでふやけた指先で

にじんで手元は見えなくても

教わった折り鶴だけは

美しく翔んでゆきました

ありがとう、ありがとう。心に叫ぶ

新月の夜でした

でも確かに私の心（ここ）にいるから

ありがとう、ありがとう。

そして、

ありがとう。