指輪

70週連続配信の第6作「指輪」
それは、ただの恋の歌ではありません。

この楽曲が描くのは――「運命」という言葉の脆さと、それでもなお消えなかった愛の本物性です。

夢の中で燃え、消えそうになった指輪、盗まれたはずの指輪。
その象徴は、愛の終わりと、人間の限界、そして「本気の愛であっても届かないものもある」という普遍の真理を映し出します。

作詞・作曲者である麻友は、鋭すぎる洞察ゆえに恐れられる「見えすぎる女」としての自画像を、この作品に刻み込みました。だからこそ、この歌は美しいだけでなく、聴く者の胸を抉ります。

「もっと高価なものはいくらでもあるのに、その思いは本物」
この一節が示すのは、愛の価値が経済や理屈を超えた領域にあるという決定的な気づきです。誰もが経験しながら、誰も言語化できなかったことを、この楽曲は語ります。

「運命の人に近かった相手の浅さ」――その失望と恐怖。
「愛は本物だった」という逆説的な真実。
そして人間という生命体の限界を突きつける冷徹な視座。

この曲を聴いたとき、人は気づくでしょう。
愛とは「成就の可否」ではなく、「本物であったかどうか」こそがすべてだということを。

「指輪」は、恋愛の歌でありながら、人類存在の象徴にまで昇華した楽曲です。

あなたが失った愛も、裏切られた愛も、報われなかった愛も――
それでも「本物だった」と誇れる瞬間があったのなら、きっとこの歌は、あなたの胸を震わせます。