早春譜のジャケット写真
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トラックリスト

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絵本作家・まえをけいこ。による作詞プロジェクト、sentimental mission。

日々移ろうもの。
移ろわず、とどまり続けるもの。
さまざまな感情の質感を、標本のように、一曲サイズに書き留めています。

ふっと息づいたり、そっと終わったり。
うんとあとから、余熱や余波のように胸のほとりへ、やっと届いたり。

きもちのレパートリーがひとつ増えたとき、
この私的で静かなミッションは、成功といえるのかもしれません。

淡く儚いものもよし。
揺るがない、硬質の感傷もよし。
覚えていたいものすら薄れてゆく時間の中で、
残された粒子に愛をこめて。

あなたの、あの日あの時に寄り添える一曲となりますように。

彩ってくれるのは、sentimental mission。
歌心あるAI workと共に制作しています。


早春譜

まえをけいこ。
 

中庭 静かな雨が寄せる
花びらの波打ち際に
ひとり

約束もなく 
毎日逢えるのは
三月までと わかっていたの
冬服の日付刻む度に

あまいろ 西陽の階段を
すれ違う偶然に 
息をとめてしまうだけの
わたしは クラスメイト

いつと いつと 告げず
桜予報にまかせて

春の 春の 雨は
涙の温度と知るの

呼び止め 傘を貸せるほどには
話したこともなかった
ふたり

チャイムの向こう
背中で追う声
バスでは通えぬ距離になる
もうすぐそれぞれの街へと 

いつか いつか 消える
このためいきの深さも

春の 春の 雨は
涙の温度と知るの

なにも なにも 告げず
これは 初恋だから

淡い 気配のまま 
はじまる手前で消えてもいい

同じアルバムのページ
そっと閉じたなら
くちづけの位置に並んでる

あなたは クラスメイト

ユーミンの『あなたはわたしの青春そのもの』松本隆の『卒業式に泣かないと冷たい人と言われそう』のような、自分の中の卒業をテーマにした、これぞ、みたいなのが書いてみたくて、しかし春がすぎてから書き終わりました。学生時代の恋は結ばれないからこそいい、むしろ、気づかれてもないからこそ、始まってもない淡さこそが完成形に思えるような。自分が15歳の頃は未熟なことの価値を実際、理解していたふしがあり、せいぜい刻んでおくのだ、と、歩み寄れない距離感の透明度に頷いていたような感覚がありました。

アーティスト情報

sentimental mission