Lyric

太陽の方向が朝から今日に暮れる

骨伝導の音で痒くなった喉の奥底

ティーラの町で計算機を打ち鳴らす

床のタイルが全部剥げてしまっても

神様の仕業と誤魔化し続けている老人会

誘拐された大きな木の根本から

無数の穴を覗く

裏返しの海が溢れ出て止まらない

九つも出来た頃に

世界中の紙が燃えてしまって

そのことを覚えてる人は居なくなった

塩の水が陸に満ちた頃

最後の橋に1人でいれたら

それは幸せだと思った

返す あれを言葉にして返す

現存する最後の選手

減光の中で無色

透明な音と炎が回り続ける

計算済みの解答用紙は要らない

思い出すだけなら生きる意味はない

そう教えられたことだけ覚えてる

螺旋の逆さ 土が大空に見えた

鳥の横顔を眺めている

初老の男性をさらに眺めていた

開発された地中

それぞれの層にそれぞれの人が暮らしていた

語り部のいない歴史の石碑

墓前で巧みに拝み 伏す

馬鹿な王が消えた 奪い合った玉座

船に落ちる極夜 裂けて割れるだるま

虹の荒野焼けた 木目 机 焼けた

白いレース焼けた 原子 体 焼けた

暗い部屋に一人でいる

悲しい未来の夢を見る

過去にあったことを総じて考えあって

長い髪に巻き付かれていたいと

首の中に潔白の声を隠して

踊りあったことを忘れることはできない

緑化が進むビルと表向きの風のようで

隙間の内側で息を潜めてみる

誰かが始めたらそれは一斉に広まった

遠くで聞いた電車の音

繰り返しが繰り返して

疲れ果てたら終わりにしよう

そう言い残して線路の中で運ばれる人

振り返した手が見えなくなる